講演者インタビュー
1on1のPDCAの回し方
〜ブラックボックス化から脱却し、組織全体で1on1の質を上げるために~
株式会社villio 代表取締役CEO
紙谷 和彦氏
1on1を導入したが、効果を実感できていないという声は多いです。理由の一つとして、1on1の内容がブラックボックス化されており、主な実施者である管理職が他人・自身のやり方を比較して改善するのが困難なことが挙げられます。質を上げていくためには、運用状況や課題を会社で把握しつつ、管理職の1on1スキルの継続的な向上が必要です。本講演では、これら1on1のPDCAの具体的な回し方をお伝えします。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
昨今、1on1を導入している企業は多いですが、一方で1on1の定着・活用には至っていないという声も多いように感じます。
例えば、人事責任者の方々としては、「導入目的を果たすような1on1が現場で行われていない」「1on1の実施は現場に一任しているため、1on1の頻度や話している内容がブラックボックス化しており、改善策を考えるにも実情がわからない」といったケースが散見されます。
ただし、1on1を行う現場の管理職の方々からすると、自身では1on1の良し悪しを客観視しにくく、何が課題でどのような改善をすれば良いかわからない、というのが実情です。
上記のような課題感を持っている人事責任者や、事業部長の方々に本講演を聞いていただければ、1on1の定着・活用に向けたポイントをご理解いただけると思います。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
私たちはこれまで多くの企業様をご支援させていただく中で、1on1の定着・活用がうまくいくパターンとそうでないパターンがわかってきました。
うまくいくパターンは、現場で下記1〜4のサイクルを回せているケースです。
1.(理解)1on1の目的/メリット/具体方法を理解する
2.(実践)現場で1on1を実施する
3.(振り返り)管理職が自身の1on1を振り返り、課題を認識する
4.(改善)1on1に対して足りない知見をインプットし、課題に対して対応策を実施する
1はマネジメント研修や1on1研修として取り組まれている企業は多いですが、2~4のサイクルを回せているケースは少なく、現場で1on1のPDCAサイクルが回されなければ、1on1の質が上がらず本来の導入目的を果たせなくなってしまいます。
本講演では、どのような仕組みで上記のサイクルを回しながら、継続的に管理職の1on1スキル向上を行うべきかについて具体的にご説明いたします。
成功事例を通じて、1on1の定着・活用を行う上でのヒントとしていただき、企業内での1on1の質向上につなげていただければ幸いです。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
昨今のVUCA時代において、上司が正解を持っているとは限りません。そのような状況の中では、従来の上意下達のリーダーシップではなく、上司が部下自身の自律的な行動を促し能力を引き出すような支援者型のリーダーシップが重要です。
支援型リーダーシップの発揮においては、上司部下間の1on1の質を上げていくことが必要不可欠です。そのためには、現場の管理職に1on1の実践〜改善を一任せず、組織として1on1をマネジメントしながら適切に管理職のサポートを行うことが必要です。
1on1活用における必要なポイントを押さえることで、1on1の質向上だけでなく、従業員育成、組織エンゲージメント向上に1on1を活用いただきたいです。
- 紙谷 和彦氏(かみたに かずひこ)
- 株式会社villio 代表取締役CEO
- 新卒で株式会社リクルートホールディングスに入社。HR領域での新規事業の立ち上げを行った後、教育ベンチャーのアメリカ法人立ち上げを行う。現地でコーチングを学び、帰国後株式会社villioを創業。自身もプロコーチとして、上場企業の経営層・管理職へのコーチングや、管理職へのマネジメント研修などを行う。
「日本の人事部」「HRカンファレンス」「HRアワード」は、すべて株式会社HRビジョンの登録商標です。
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