講演者インタビュー
グローバル企業が解決すべき本質課題「インクルーシブな土壌作り」の解決策と実践事例
合同会社コマス CEO
アンダーソン マークロバート氏
グローバルビジネス企業を中心に、人材の育成や外国籍人材の採用に力を入れる企業は年々増加しています。しかし、優秀な人材を採用したり、英語人材を育成しても、中々活躍に繋がらないという声をよく耳にします。そこで重要なのは、土壌となる企業文化の醸成や社内環境作りです。本講演では、グローバルビジネス環境でのインクルーシブな環境構築やコミュニケーション課題の解決策を事例を交えながら解説します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
企業のグローバル化において、海外人材を採用しても社内環境が整わず、グローバルチームが良いパフォーマンスをしていないケースが多く見られます。外国籍社員やグローバル人材が定着しない、うまくコミュニケーションが取れないなど、コミュニケーションにおける課題が多いことが現状です。
また、自社でグローバル人材を育成し、語学研修を実施しても、ビジネスの現場でコミュニケーションが取れない、自信を持って話せないなど、グローバル環境に適応できない企業も多く見られます。
本講演では、グローバルチームの価値を最大限に生かすための企業文化の醸成方法や社内環境の作り方について、課題とその解決策をお話しします。また、グローバル人材に必要な語学力を基礎とした総合的なコミュニケーション力の養い方について、グローバルコミュニケーションの専門家という立場から解決策をお伝えいたします。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
日本企業における外国籍社員の離職率の高さの原因と対策を、データに基づいて解説します。厚生労働省のデータによると、外国人従業員の離職率が45.9%なのに対して、日本人の平均離職率は16%に留まっています。日本企業が外国人従業員を受け入れる際の課題として、日本人社員向けの異文化理解教育の実施、日本人と外国人のコミュニケーション促進などが上がっています。
しかし、多くの企業はこれらの経験がなく、語学研修の施策に留まっている場合が多いのが実状です。インクルーシブな職場環境を形成するには(1)共感と共有意識の生成、(2)心理的安全性の確保、(3)発話しやすい文化と環境の実現が必要です。正しいマイドセットを持ち、効果的なコミュニケーションスキルを習得する方法について解説をします。それよって多様な背景を持つ人々が互いを尊重し、良好な対人関係を築くことが可能になります。
また、自社でグローバル人材を育成する場合には語学力の向上は大切ですが、文法学習や単語の暗記でTOEICのスコアを上げても、根本的な問題解決にはなりません。文法に間違いがあっても、適切な単語が使えなくても、思いを伝えようと積極的に発話することが、コミュニケーションにおいては最も重要です。
言葉が完璧でなくても、自信を持って意見を述べ、相手とのコミュニケーションを積極的に行う。そのためにはどんな企業研修を行う必要があるのかを、解説します。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
グローバルなビジネス環境における真のコミュニケーション課題を解決したいと思っている企業の方々に、ぜひ聞いていただきたい講演です。語学研修を超えたインクルーシブな企業文化の醸成や社内環境づくりにつながるヒントになることを願っています。
- アンダーソン マークロバート氏(アンダーソン マークロバート)
- 合同会社コマス CEO
- エディンバラ大学卒業。JETプログラムで来日し、日本の大手IT企業にてビジネス英語トレーナーとして勤務。株式会社メルカリで語学教育チームの立ち上げを経て、合同会社コマスを設立し、グローバルビジネス環境でのコミュニケーション課題と多文化対応能力の組織開発に取り組んでいます。
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