講演者インタビュー
総合職採用の社員に職務給は定着するのか?
~大手企業のヒアリング調査からみた職務給の検討ポイント~
株式会社パーソル総合研究所 シンクタンク本部 上席主任研究員
藤井 薫氏
職務給やジョブ型への関心が高まっており、それらの導入で多くの人事課題が解決するとの思い込みも広がっています。現実問題として、いわゆる「総合職」に対する職務給はどのようなかたちになるのか。ライン管理職は比較的導入しやすいとして、専門職はどうするのか。一般社員層はどうするのか。また、導入後の異動配置はどうするのか。大手企業のヒアリング調査をもとに、自社の職務給の在り方を考えるヒントを提示します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
職務給やジョブ型への関心が高まっています。それらの導入によって、人材マネジメント観点では「人件費が適正化される」「採用やリテンションに効果がある」「キャリア自律が促進され人材が育つ」などの期待があると同時に、「職務記述書の整備に膨大な手間がかかる」「社命での人事異動ができなくなる」などの懸念も大きく、具体的な検討が進まない企業も少なくありません。
実際には、いわゆる「総合職」に対する職務給はどのようなかたちになるのか。ライン管理職は比較的導入しやすいとしても専門職はどうするのか。一般社員層はどうするのか。また、導入後の異動配置はどうするのか。職務給はシングルレートかレンジレートか。そもそも職務給の導入にはどのようなパターンがあるのか。目的は何なのか。数多くの疑問があることでしょう。本講演では大手企業のヒアリング調査をもとに、自社の職務給の在り方を考えるヒントを提示します。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
職務給というと、「個別ポジションの職務記述書単位で職務評価を行い、その結果をバンディングして職務グレードを編成する」「個別ポジションごとに市場相場に応じて職務給を決める」というイメージがあるかもしれません。しかし、実際には日本企業ではいわゆる「総合職」の社員が大半を占め、職種別の明確な賃金相場もほとんど存在しません。その環境下で職務給を導入している企業は、どのような考え方でどのような制度を導入しているのでしょうか。また、どのように運用しているのでしょうか。
大手企業のヒアリング調査から、職務給の導入企業には三つのタイプがあることがわかりました。その三つのタイプは、それぞれ職務給導入の目的やアプローチ方法が異なっています。机上の空論ではない、ヒアリング調査結果のリアルにご注目ください。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
本講演は教科書的メソッドを説明しようというものではありません。職務給導入企業のリアルから抽出したエッセンスをお伝えし、皆さまのご検討に供したいと考えています。ぜひ「自社が実際に職務給を導入するとしたら……」という目線で、ご参加ください。
- 藤井 薫氏(ふじい かおる)
- 株式会社パーソル総合研究所 シンクタンク本部 上席主任研究員
- 電機メーカー、コンサルティングファーム、タレントマネジメントシステムベンダーにて一貫して人事分野のキャリアを歩む。2017年パーソル総合研究所に入社、2020年より現職にてタレントマネジメントを中心とした調査研究に従事。各種メディアへの寄稿多数。近著に『人事ガチャの秘密』(中公新書ラクレ)。
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