講演者インタビュー
今さら聞けない! ストレスチェックをきっかけに進める組織改善の要諦
一般社団法人日本衛生管理者ネットワーク 代表理事/第一種衛生管理者/産業医科大学非常勤講師
對木 博一氏
ストレスチェックは実施しているものの、本質的な理解や実践に進んでいない企業が多く見られます。ストレスチェックを義務ではなく機会ととらえ、生産性の高い組織へと成長を遂げるためにどのような取り組みができるのでしょうか。本講演では今さら聞けないストレスチェックの意義や目的、組織改善への活用方法などを解説。さらにストレスの本質を明らかにする具体的手法やこれからの労務管理について、事例を交えてご紹介します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
新型コロナでは在宅勤務によって働き方も大きく変わり、これまでの少子高齢化やハラスメントなどのストレス要因と相まって、ギクシャクとした人間関係がさらに複雑化しています。さらに退職者が残した仕事を残業や休日労働でこなし、疲労も増大。割増賃金による人件費負担など、企業にさまざまな負担が強いられています。ずばりメンタルヘルスによる休業者や退職者は増えていませんか。
ハラスメントと人間関係トラブルなど、さまざまなストレスを生み出す問題を産業医などに託しても解決できない、問題が起こる前に行動を起こせない労務管理、など課題は多いのではないでしょうか。心理的安全性が確保できない職場に、解決の糸口を見いだせない企業に、ストレスチェック結果を用いた総合的な労務管理の具体的活動をご説明します。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
これまで企業の健康管理は、医療職が病気を治療する活動が主体でした。予防医学と言われ久しいですが、予防活動をどうすれば良いのかはあまり理解されていません。世の中が変化し、少子高齢化による労働力不足、過重労働、ストレス、メンタルヘルスという心の問題もクローズアップされ、さらに事業者にも安全(健康)配慮義務という責務も明確になってきました。「健康」は「福利厚生」から「労働条件」へと考え方も変わり、健康は賃金や休日と同レベルで位置づけられています。
演者は30年以上、労務管理と労働衛生管理の両面から人材をマネジメントしてきました。働くことで労働者の経験や職能を拡大させる反面、ストレスや疲労により健康に影響がでることが増えてきました。
講演ではストレスチェック結果と労務管理を融合させることをご紹介します。フルスペックの141問を実施し、個人と組織のストレス状態を確認。公認心理師によるヒアリングでストレスを感じる仕事の場面を確認し、具体的に何がストレスの本質かを探求します。
それらの情報から経営者や管理者の組織や人材管理にコンサルティングを実施し、従業員には研修を実施しながら、問題を改善していきます。このアプローチを導入して7年、風土改革、働き方やエンゲージメントなどの労務管理の改善、健康意識や対応の改善に効果を上げてきました。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
健康も能力と位置付けて、労働力の維持確保、従業員の働きがいの両面から、新しい労務管理を一緒に行いましょう!
健康投資は人材投資、転ばぬ先の杖、将来を見据えた人材への総合的な投資を!
人の心を考え、能力を踏まえて業務配分をすること、健康と仕事のバランスをとることを常に念頭に置きましょう。
職場で起きている人材トラブル、ストレスチェックの集団分析結果の実際を確認したうえでご参加ください。
- 對木 博一氏(ついき ひろかず)
- 一般社団法人日本衛生管理者ネットワーク 代表理事/第一種衛生管理者/産業医科大学非常勤講師
- 大手精密機械メーカーの人事部で約30年間労務管理と労働衛生管理を担当しつつ、複数の大学で非常勤講師を務める。日本産業衛生学会関東地方会衛生管理者の集う会を立ち上げる。現在、化学物質管理からメンタルヘルスまで、労務管理の側面から働き方と健康をバランスするコンサルティング、教育研修を展開。
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