講演者インタビュー
面接官による評価のばらつきを防ぐ
~採用要件を適切に設定するための採用基準の作り方と共有方法~
株式会社リーディングマーク 組織心理研究所 所長/臨床心理士・公認心理師
佐藤 映氏
働き方の多様化や採用のオンライン化によって人材要件と採用手法が二重に変化することで、採用ミスマッチに悩んでいる企業が増えてきました。採用基準が曖昧だと、面接官ごとの評価にばらつきが生じ、求めていた人物像が一致しなくなるリスクがあります。本講演では、臨床心理士である心理学のプロが採用要件の適切な定め方に使えるフレームワークなどを用いて「採用基準の作り方・採用基準の共有方法」を解説します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
オンライン化などの労働環境の変化に伴い、働き方はもちろん、採用の手法も多様化し、人材要件と採用手法が掛け算的に変化しています。
そこで今回は、採用活動における「目線合わせ」について講演します。人材不足が叫ばれる中、全社一丸となって採用活動を展開している企業が増えています。面接の経験が浅い現場社員の方も含めて、自社に必要な人材の要件を適切に定め、面接官同士の目線合わせを行い、採用フェーズに合わせた適切な見極めを実施する必要性に迫られているのではないでしょうか。本講演ではそんな課題をお持ちの経営者や人事の方向けに、採用要件の適切な定め方をお伝えします。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
採用要件を定める際のポイントは、候補者のスキルと価値観(自社のカルチャーとのマッチ度)をいかに見極めるか、です。必要なスキル要件に加えて、カルチャーマッチの観点で要件を定義し、目線合わせをすることは難易度が高く、感覚で行われてしまっているケースが多いのではないかと思います。日本の離職理由で常にTOPに上がるのは、社長・役員・上司など、同僚との関係性です。カルチャーマッチし、気持ちよく働くことができなければ、その人が最大限の力を発揮できず、辞めてしまうこともあります。
本講演では当社が提供する「ミキワメ」を利用しながら、性格データを基に組織や必要な人材像とのフィットを測るための基準をアップグレードする方法をお伝えします。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
人事施策に性格データを使うことが難しいのは、人の性格が大変個性豊かで複雑だからです。データは問題をシンプルに要約してくれますが、人自体はシンプルにはなりません。その複雑な「人」という存在をどう理解するのか。主観や感覚だけでなく、データの助けを借りながら、どう柔軟に採用を進化・改善させるべきなのか。心理学の視点も援用しながら丁寧にお伝えします。
- 佐藤 映氏(さとう うつる)
- 株式会社リーディングマーク 組織心理研究所 所長/臨床心理士・公認心理師
- 京都大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得退学。修士(教育学)。京都文教大学で教鞭をとった後、2020年にリーディングマークに入社。「ミキワメ」の性格検査、ウェルビーイングサーベイの設計責任者を務める。
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