「職場の健康に関する取組み」に関する調査
事業場向け産業保健支援、医療人材総合サービスを提供する株式会社エムステージ(東京都品川区、代表取締役:杉田雄二)は、企業の健康への取り組みを総合的にサポートするサービス『健康経営トータルサポート』のリニューアルに伴い、企業の人事・労務担当者400名に「職場の健康に関する取組み」についてアンケートを実施しました。
■ 調査背景
健康経営®の推進が求められる昨今、エムステージは、誰かの無理のうえに成り立つものではない“持続可能”な健康経営のかたちを追求しています。そこで着目したのが、フィジカルヘルス不調者やメンタルヘルス不調者、それによる休職者・離職者の発生による担当者の手間やコスト、会社のリスクです。健康経営は必要とわかっていながらも、緊急性を感じないという声が少なくないなかで「起きるを防ぐ」仕組みづくりにより、どのような手間やコスト、会社のリスクを減らしていけるのか。今回は、その一つの答えとして、発生した事象への対処を行う人事・労務担当者の声や、代わりの人材採用にかかるコストなどを調査しました。
※「健康経営」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
■ 調査結果のサマリー
〇休職者・離職者の状況について
・3割以上がコロナ後の増加を感じる
〇企業の対応状況
・35.8%が専用のオペレーション「無い」
・問題の発生を未然に防ぐ仕組み「整っていない」約半数
〇対処にかかる手間やコスト
・約4人に1人が「発生した事象への対処」に最も時間をかけている
・対応する担当者の声「その対応で、またさらに残業が増える」
・不調による離職者の代わりの採用にかかる年間コスト約85万円
■ 休職者・離職者の状況について
1. 3割以上がコロナ後の増加を感じる
コロナ前と昨年度(2023年4月~2024年3月)を比較した際のフィジカルヘルス(身体的)不調者やメンタルヘルス不調者の増減の程度について、「かなり増加した」と回答した担当者は8.0%、「やや増加した」と回答した担当者は24.5%となりました。3割以上が増加を感じる結果となりました。
具体的に、1カ月以上の休職、もしくは、離職した従業員数が「1名以上」いると回答した担当者は40.6%となり、「わからない」と回答した担当者は17.5%となりました。
■ 企業の対応状況
2. 35.8%が専用のオペレーション「無い」
フィジカルヘルス不調者やメンタルヘルス不調者、それによる休職者・離職者が発生した際の対応について、35.8%の担当者は「専用のオペレーションが無い」と回答。反対に「専用のオペレーションがある」という回答は28.7%となり、無いという回答を下回る結果となりました。
3. 問題の発生を未然に防ぐ仕組み「整っていない」約半数
フィジカルヘルス不調者やメンタルヘルス不調者の発生を未然に防ぐための対策や、従業員からの訴訟等、会社としてのリスクを生まないためのルール作りなど、場当たり的ではない、「問題の発生を未然に防ぐ」ための仕組みについて、約半数が「整っていない」と回答。約2割が「わからない」という結果になりました。
■ 対処にかかる手間やコスト
4. 約4人に1人が「発生した事象への対処」に最も時間をかけている
現在行っている、職場の健康に関する取組みにおいて、最も時間をかけていること・かかっていることは、「ほとんど何もやっていない」(126)という回答が最も多く、次に「不調者(フィジカル・メンタル含む)の面談対応」(52)、「健康診断・ストレスチェック結果の分析・対策」(49)、「健康診断・ストレスチェックの準備・手配」(46)、「休職者の対応」(38)が続きました。
「不調者の面談対応」(52)、「休職者の対応」(38)、「離職者の対応」(14)など、発生した事象への対処に約4人に1人の担当者が最も時間をかけている・かかっている結果となりました。
5. 対応する担当者の声「その対応で、またさらに残業が増える」
フィジカルヘルス不調者やメンタルヘルス不調者、それによる休職者、離職者の対応において、負担や難しいと感じることに関するフリー回答では、対応する担当者が不足していることに関連するコメントが最も多く見られました。また、それぞれの状況に合わせた対応に関するコメントや、社内の体制、会社の理解に関するコメントも見られました。
6. 不調による離職者の代わりの採用にかかる年間コスト約85万円
昨年度(2023年4月~2024年3月)の期間で、フィジカルヘルス不調やメンタルヘルス不調が原因で、離職した従業員数の加重平均は1.0人となりました。厚生労働省が公表した「採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査 調査結果(令和4年)」によると、「民間職業紹介事業者(紹介会社)」を利用する場合の正社員の採用コストの平均相場は、85.1万円となります。つまり、フィジカルヘルス不調やメンタルヘルス不調で離職した社員(正社員)の代わりを採用するためにかかる年間のコストは【不調による離職者の加重平均1.0人】×【85.1万円】となり、単純計算で【85.1万円】となる結果となりました。
■ 健康経営を、持続可能なものにするために「起きるを防ぐ」仕組みづくりを
今回の調査では、コロナ禍を経てフィジカルヘルスやメンタルヘルス不調を原因とした休職者や離職者の増加を感じている人事・労務担当者が3割以上いることがわかりました。そのような中で「その対応で、またさらに残業が増える」などのコメントからわかるように、人事・労務担当者の負担も発生しています。また、代わりの正社員の採用にかかる年間コストも少なくないことがわかりました。社会的に健康経営の推進が求められている今、発生した事象への対処に時間やコスト、手間をかけるのではなく、問題の発生を未然に防ぐ、「起きるを防ぐ」仕組みづくりが“持続可能”な健康経営の一歩となるのではないでしょうか。
■ アンケート調査概要
・「職場の健康」に関するアンケート
・調査対象:企業の人事・労務担当者
・調査日:2024年08月19日~08月26日
・調査方法:webアンケート
・有効回答数:400(従業員数1~49名規模:100、50~99名:100、100~999名:100、1000名以上:100)
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社エムステージ /10月1日発表・同社プレスリリースより転載)
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