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特別講演[2-A]

【承諾率実績80%の秘訣】活躍する人財だけを効率的に集め、惹きつけ、確実に承諾を得る採用計画の作り方

西澤 亮一氏
株式会社ネオキャリア 代表取締役
西澤 亮一氏(にしざわ りょういち)
プロフィール:2000年に投資会社に入社。投資会社からの出資を受け、同年、株式会社ネオキャリアを設立。2002年より現職。新卒・中途の採用支援を総合的に行い、延べ1万社を支援。毎年数千人の学生に会い、学生の動向も熟知している。組織活性化に関するビジネス書「社長よりも偉いもの」、就職アドバイス本「デキル就活」著者。

買い手市場で一部の優秀な学生に内定が集中。
内定辞退者が増える危険性が広がるなか、学生を惹きつけ続ける戦略が重要

西澤 亮一氏 photo求人倍率が下がり、買い手市場と言われる昨今、企業にとっては採用活動を有利に展開できる環境が整っていると言えます。しかし、この状況を学生側から見てみると、採用活動が有利だとは一概に言えません。というのも、11年卒では4月の段階で内定をもらった学生は2割弱。これは企業が厳選採用を進めるなか、一部の学生に内定が集中していることを示しています。さらに興味深いことには、内定保有者の6割は「内定を得た後も就活を続ける」と考えていました。これは即ち、内定を出した後に内定辞退する学生が多いということ。つまり、企業が採用に成功するためには、採用活動において“学生を惹きつけ続けるための戦略”を練る必要があるということなのです。

そこで今回は、内定承諾率80%の当社の採用活動の経験を基に、採用成功のための6つのステップをご紹介します。そのうち計画~選考の各ステップで、何が重要なのかをお話ししたいと思います。

計画:ターゲットに正しくリーチするためにも、
求める人物像の定義を明確にする

まず、採用成功のためのステップですが、(1)計画(2)母集団形成(3)説明会・選考(4)選考(5)内定(6)入社前フォローの6項目に分けることができます。(2)母集団形成~(5)内定においては、常に学生を“惹きつけること”が求められますが、それ以前に“惹きつけ”の秘訣は“マーケティング”であることを忘れてはならないでしょう。

“マーケティング”では、“ターゲット”を設定し、その“ターゲットを惹きつける仕掛け・仕組みを作ること”が必要ですが、(1)計画における“ターゲット設定”=“求める人物像の設計”では、基準となる“言葉の定義”を明確にしておくことが欠かせません。例えば、「元気」「明るい」といった言葉は、人によって「声が大きい」「笑顔がいい」「姿勢がいい」などイメージが異なります。そのため、採用基準が誰にとっても同じ意味を持つよう、求める人物像を因数分解して、定義を明確にしておくことが必要なのです。

母集団形成:
「求人広告の打ち出し方」と「就活サイトの効果的な活用法」を知る

西澤 亮一氏 photo次に各ステップにおける“惹きつけ”のコツを見ていきますが、(2)母集団形成においては二つの手法が考えられます。

一つ目は、“効果的な求人広告を打ち出す”ことです。効果的な求人広告とは、ターゲットの心に響く「言葉」「写真」「デザイン」で構成された広告のこと。ただし、学生たちの目線は「写真」→「キャッチ」→「文章」と順番で流れるため、優先的に考えるべきは「写真」だと言えます。“ターゲットの心に響く”のは“被写体がターゲットの学生そのものである”写真。例えば、新卒採用であれば、新卒で入社した社員の写真を使用する。そうすることで、効果の高い求人広告を制作することができるのです。

では、二つ目は何かと言うと、“就活サイトを活用すること”です。なかでも注目すべきはプレサイト。学生たちは、6月からプレサイトで気になる企業にブックマークをつけ、志望業界・企業を絞り込んでいきます。こうしておくことで学生たちは、気になる企業の情報を、就活サイトから自動的に、タイムリーに得ることができるのです。企業にしてみれば、ブックマークをしてくれた学生への早期アプローチが可能になります。つまり、プレサイトはDMと同じ効果を果たしてくれるものと言えるのです。

説明会:動画を使うことで、企業情報を効果的に伝える

(3)説明会については、説明会の要素を「プログラム内容」「伝える内容」「伝え方」の3つに分解して考える必要があります。

「プログラム内容」では、まずは求める人物像が喜ぶものにすることが重要です。当社では、各選考段階において、学生が気づきを得られる仕掛けがある『問題解決能力向上プログラム』を導入することで、学生を惹きつけることに成功しています。

一方、「伝える内容」はどうでしょう。基本的に説明会では、「学生が知りたいこと」――理念・ビジョン、社風、仕事内容、どんな社員がいるか、事業内容、どんな社長か、会社の成長性――を網羅して伝えることが重要です。これらの一つでも伝えることに失敗すると、「キャリアイメージがつかなかった」などの理由から、選考途中で辞退者が出ることになりかねません。そのため、「伝える内容」の「伝え方」が重要になってくるのですが、一つの手段として“動画”をご紹介しておきます。動画は、視覚・聴覚・感覚に訴え、具体的なイメージを想起させることができる、大変有効な手段です。現在、説明会で動画を利用している企業は全体の3割。他社との差別化という意味でも導入を検討してみるのもよいでしょう。

選考:学生の入社意欲、帰属意識を高めるプログラムに

西澤 亮一氏/講演 photo最後に(4)選考ですが、ここで重要なのは“いかに選考設計をするか”です。それには選考プログラムに、「目的の明確化」「インプット&アウトプット」「気づかせたいことを課題に入れる」「ザイオンス効果」「セブンヒッツ効果」という5項目を意識的に取り入れることが必要です。その結果、学生の入社意欲、帰属意識が高まり、企業への興味の高さを継続させることにつながります。

このように、各ステップには“惹きつけ”のための戦略がそれぞれあります。大切なのはこれらのステップを確実に実行し、成果につなげていくことです。しかし、それには何といっても、企業の“採用力=「求める人物像の設計力」「集客力」「見極め力」「惹きつけ力」「育成力」が必要なのです。そしてこの採用力を発揮するためには、採用活動の原点――「なぜ人材を採用したいのか?」をしっかりと考え、今後のビジョン・成長戦略に沿った求める人物像を設計することです。“学生を惹きつけること”が採用活動成功の秘訣。しかし、企業の採用力なくして成功はありません。

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