講演者インタビュー
日立製作所が語る、仕事と介護の両立支援
2025年問題に向けた取り組みと継続的な施策実施のポイント
株式会社チェンジウェーブグループ HRソリューション部門 LCAT事業部 部長
中根 愛氏
今年3月、経産省から経営者向けガイドラインが発表され、「仕事と介護の両立支援」に企業がどう取り組むべきか示されました。しかし、どの施策を優先するのか悩む方も多いです。本講演では、早くから仕事と介護の両立支援をされていた日立製作所の風土醸成・意識改革につながる継続的な取り組みをご紹介します。また、2025年問題に向けて介護離職を防ぎ、仕事との両立を実現する施策の促進事例についてお話しします。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
2024年3月、経済産業省から「企業向け仕事と介護の両立支援ガイドライン」が公表され、ビジネスケアラー(仕事をしながら家族等の介護に従事する人)の両立は、今や個人だけでなく「企業が取り組む」べき課題です。2025年には「団塊の世代」800万人が後期高齢者となり、働き手の介護への負担増が想定されています。本講演では、この2025年問題に向けて、日立製作所が仕事と介護の両立を実現し介護離職を防ぐため、支援施策の強化促進を図られている事例についてお話しいただきます。今後、どのように両立支援策を実施、継続していくか、方向性や押さえるべきポイントなど、両立支援施策をご検討中の人事総務ご担当者様に向けた内容です。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
超高齢社会の日本において、ビジネスケアラーの人数は、ピークを迎える2030年には約318万人になると推計されています。2025年には「団塊の世代」800万人が後期高齢者となり、働き手の介護への負担増が想定されることもあいまって、企業が「仕事と介護を両立できる環境」を整備することは、企業活動の継続・組織パフォーマンスの維持という面においても極めて重大な課題となってきました。
しかしながら、ビジネスケアラーの課題は介護・老い・家族に関することから忌避感を持たれがちで、個別性が高いため、当事者が抱え込みがちになります。企業側は当事者の実態がつかみづらいために、施策実施の優先度が上がらないといった声も伺います。
本講演でご登壇いただく日立製作所は、継続して両立支援の施策に取り組まれてきました。介護に携わる前の一般従業員の介護に対する関心度を上げる工夫や、働き方改革と連動した制度の柔軟化などを推進されています。また、職場風土醸成やコミュニケーション活性化といったマネジメント変革に関わる部分を強化されようとしている点でも、参考になる取り組みだと考えております。講演では、こうした具体策をご紹介していただくとともに、継続して両立支援を実施されてきた中で課題に感じられていること、2025年問題を控えて強化されている取り組み内容など、全体像から方向性を含めて具体的に伺います。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
仕事と介護の両立に関する体制構築や従業員に向けた情報周知など、今年は国によって「企業が取り組むべきこと」が明示されたように思います。
とは言え、企業の現場では、介護が始まる前から従業員の関心度・優先度を上げることに苦心されているのではないでしょうか。今回の講演では、日立製作所様の事例を通じ、予備軍の段階から「仕事を軸に両立する」を意識して適切な知識を身につけていただく方法や、施策継続のポイントなどをお伝えします。何からどのように始めるのか、お取り組みを検討・実践される際の一助となればと思います。
- 中根 愛氏(なかね まな)
- 株式会社チェンジウェーブグループ HRソリューション部門 LCAT事業部 部長
- 2020年に株式会社リクシスに参画し、カスタマーサクセス部門の立ち上げを経て2022年よりLCAT事業部長。企業向けビジネスケアラー支援の責任者としてDEI部門や人事部門を中心に支援。企業の目標・課題に寄り添いながら目標達成・課題解決、施策運営、効果測定まで一気通貫してサポートを行っている。
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