講演者インタビュー
自律的成長を遂げる、千葉興業銀行の未来型新人育成
~AIを活用した目標設定と振り返りの実践事例~
株式会社リフレクト 代表取締役
三好 淳一氏
生成AIの台頭によりAIが社員を育てる時代が現実的になっていますが、自社での実践イメージが抱きにくいのではないでしょうか。本講演では千葉興業銀行が登壇。目標設定と振り返りをAIが細かくフィードバックすることで、「新入行員の自律的成長」と「チームの生産性向上」を図った実践事例を紹介します。AIが新入社員の育成にもたらす効果や、社員の自主性を組織の成長につなげる道筋について、事例も交えて議論します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
この講演は、
1.新人研修やリーダー研修の効果を向上させたい組織
AIを活用することで、効率的かつ効果的な育成が可能になり、社員の自律的な成長 を促進します。
2.コミュニケーションの活性化やナレッジ共有を目指す経営層やミドルマネジメント
AIのフィードバックを通じて、チーム内での生産性向上や知識の共有を促進します。
3.研修効果を高めるサービスを提供したい人材開発会社やコーチ
AIを活用した新しい研修手法を学ぶことで、サービスの質を向上させることができます。
これらの対象者にとって、AIを活用した人材育成の実践事例とその効果を学べる有益な講演となっています。
また、これから生成AIを活用した業務、人材育成が当たり前になる時代に先駆けて知見を持ちたいという方にとっても参考になるはずです。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
今回の講演の聞きどころは、千葉興業銀行様が新入行員の育成にAIをどのように活用しているか、その具体的な実践方法と成果を紹介する点です。リフレクトのAIコーチングを導入し、新入行員約60名が毎朝の目標設定と夕方の振り返りに対してAIがフィードバックすることで、自律的な成長 を促進し、チーム全体の生産性向上を図る取り組みが解説されます。
特に注目すべきは、千葉興業銀行様が元々フレームワークを活用した振り返りの実践を行っており、その延長線上でリフレクトを導入し、AIによる経験学習の促進を試みた点です。導入に際してはセキュリティー面を十分に考慮し、AIの人格や問いかけ内容を事前に試行錯誤することで、AIからの問いかけとアドバイスのバランスを最適化しました。また、AI初心者がスムーズに利用できるように、プロンプトテンプレート機能をカスタマイズして使用し、毎朝の目標に対して誰でも簡単にAIからフィードバックを受けられる仕組みを整えています。さらに、心理的安全性を確保するため、チームリフレクションは4〜5名、計16グループに分けて行う工夫も施されています。
AIが新入社員の育成にどのような具体的な効果をもたらすのか、その実践がどのように新入社員の自主性を引き出し、組織全体の成長につながるのか、具体的な事例とともに学べる貴重な機会です。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
生成AIの活用が人事のさまざまな領域で進む中、人間がより人間らしく学び、成長し、生産性を向上するために、AIの活用が有効です。千葉興業銀行様とご一緒にAI活用という新しい取り組みに挑戦し、試行錯誤を重ねた結果を共有いたします。生成AIが普及し始めてから2年弱という短期間で、先進的にAIを活用した事例を通じて、皆さまに新たな学びや気づきを得ていただければ幸いです。
- 三好 淳一氏(みよし じゅんいち)
- 株式会社リフレクト 代表取締役
- 株式会社マクロミルを経て、2014年にデータ分析コンサルティングを行う(株)イノヴァストラクチャーを創業。2021年に人材育成ツールを提供する(株)リフレクトを創業。共著『Tableauデータ分析〜入門から実践まで〜』 『ピープルアナリティクスの教科書』。ピープルアナリティクス協会上席研究員。
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