講演者インタビュー
社員のやる気を引き出す
自律学習の仕組みづくりのポイント
株式会社スキルアカデミー 代表取締役CEO
前田 正彦氏
最近ではeラーニングサービスが普及し、学習環境が整ったことで社員が主体的に学ぶ自律学習が注目されています。しかし、環境の整備だけで自律学習が促進されるわけではありません。重要なポイントは「やる気を引き出す学習サイクルの構築」と「学習目標と組織の方向性の合致」です。本講演では組織が求める能力要件とキャリアパスを明確化し、社員のやる気を引き出す自律学習の仕組みづくりのポイントをわかりやすく解説します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
最近ではさまざまなeラーニングのサービスが利用できるようになりました。また気軽にスマホなどを使って、通勤途中や隙間時間にこまめに学習できる環境が整ってきています。こうした動きを受けて社員が主体的に学ぶ自律学習が注目されています。
これ自体は大変素晴らしいことですが、こうした環境さえ整備すれば社員が自律的に学習するようになるという錯覚に陥りがちです。
本講演では、自律学習を導入していたけれど思うように成果が出ていない、あるいはこれから導入したいけれども、どこから手をつければよいのかわからない、といった方向けに、社員のやる気を引き出す自律学習の導入ポイントについてわかりやすく説明します。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
今の時代は、豊富なコンテンツがあふれ、気軽に学習できる「学び」の機会もたくさん用意されています。こうした環境は主体的に学びたいと思っている人にとっては、確かに素晴らしい環境なのかもしれません。
しかし、逆に情報や学びの機会がたくさんありすぎて、「何を選択していいのかかえってよくわからない」といった声も聞こえてきます。こうした中でただやみくもにコンテンツだけ用意しても、社員にとっては単なる学びの押し付けになってしまう危険もあります。
自律学習の重要なポイントは、「いかに良いコンテンツを提供するか」ではなく、「いかに社員のやる気を引き出し、主体的に学習するサイクルを構築できるか」が重要になります。
また社員が自律的に学習するようになっても、学習目標が組織の求める方向性と合致していなければ意味がありません。
本講演ではこの「本人のやる気を引き出す仕組みづくり」と「会社が求める能力要件」の二つの部分に焦点を当て、この二つを合致させることで、社員と会社がWin-Winとなる自律学習の仕組みづくりのポイントについて説明します。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
会社と個人の関係も変化してきています。会社が用意した教育プログラム受動的に受け、社員を手取り足取り育成してくれる時代は終わりました。
これからの時代は会社と個人は対等なパートナーとして、個人も自立しながら能力を磨いて価値を高め、そしてその価値を最大限に生かす機会を組織が作っていく関係になると想定されます。まさに一人ひとりが自立したプロフェッショナルとして組織に貢献していくことこそが、これからの時代にマッチした強い組織を作るのです。
自律学習の仕組みづくりは、そうした強い組織を作るための第一歩となる取り組みです。
- 前田 正彦氏(まえだ まさひこ)
- 株式会社スキルアカデミー 代表取締役CEO
- 慶應義塾大学経済学部卒業。MIT Sloan School of Management修了(経営学修士)。NTTデータ経営研究所、トーマツコンサルティングを経て現職。戦略から人事・組織コンサルティングまで一貫したサービスを提供している。
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