講演者インタビュー
ハラスメントのない組織の実現に向けて
~「法的な視点」と「心理的な視点」から考える3つのポイント~
鳥飼総合法律事務所(東京) パートナー弁護士
小島 健一氏
ハラスメントは管理職に関わる問題のみならず、最近話題のカスハラなどにより企業活動に様々な影響を及ぼします。カスハラも含めたハラスメント対策は、組織風土醸成による予防とともに、事案発生後の対応も重要です。本講演では、弁護士による法的な視点、カウンセラーによる心理的な視点から、ハラスメントのない組織を実現するキーワードとして「心理的安全性」「適切な企業対応」「マネジメントの在り方」について解説します。(協賛/一般社団法人日本産業カウンセラー協会)
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
カスハラも含めたハラスメント対策は、予防のための組織風土醸成や、事案発生後の対応が顕在化した後の対応がとても重要です。しかし、「ハラスメント相談窓口(カスタマーハラスメントを含)を設けているが、相談率が向上しない。しかし離職理由にハラスメントをあげる社員が増えている」「高ストレス者は出ているが、産業医面談に至るケースが減少し、ストレスチェック実施の有効性が見えなくなっている」といった悩みを抱える企業は少なくありません。
相談窓口の開設、ストレスチェック制度の活用、社内研修実施など、現在実施している自社の「ハラスメント対策」に、課題を感じている方に是非参加していただきたいです。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
労働力人口の減少を前に、様々な立場のメンバーと協働することが当たり前となりました。組織メンバーの多様化の中で「ハラスメントのない組織」を実現する重要なキーワードは、「心理的安全性」「適切な企業対応」「マネジメントの在り方」の3点です。
「心理的安全性」の高い企業では、自分の意見やアイデアを自由に表現できる環境があり、失敗を恐れずに新しい挑戦をすることができ、結果としてイノベーションが生まれやすくなります。更にメンバー同士のコミュニケーションが活発になり、問題解決が迅速に適切に行われるため、生産性も向上し「働きがいのある組織」が構築されます。
一方「ハラスメント」は職場の雰囲気を悪くさせ、メンバーのモチベーションの低下、メンタル不調者が増え、離職率が高まる上に、法的なリスクも生み出します。企業が積極的にハラスメント防止策を講じ社員が安心して働ける環境を整えること。そのために安心して利用できる外部機関での相談窓口の設立や、相談後の企業側の適切な対応策の構築は大変重要です。
管理職(マネジメント)が部下と「良いコミュニケーション」を取り、信頼関係を築いていく事は「ハラスメントのない組織」につながります。「相談しづらい」「ハラスメント体質」と言われる管理職が、成果を上げ評価され、ハラスメントが見過ごされているケースもあります。「マネジメント教育」は、組織風土を改善し、企業の成長につながります。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
法的な場面の最前線でご活躍をされている弁護士と、カスハラ相談窓口で多くの現場の生の声を聞いているカウンセラーが、これまでの経験、事例やノウハウなどの共有をいたします。「ハラスメントのない組織」は個人も企業も成長する場です。健康経営において「守りのメンタルヘルス対策」である『ハラスメント防止』、「攻めのメンタルヘルス対策」である『ワークエンゲージメントを高めるためのマネジメント研修』など、実践で活用できるノウハウを共有いたします。 きっとお役に立つ講演となりますので、是非ご参加ください。
- 小島 健一氏(こじま けんいち)
- 鳥飼総合法律事務所(東京) パートナー弁護士
- 人事労務を基軸に、問題社員処遇から組織・風土改革、産業保健、障害者雇用まで、経営に貢献する紛争予防・迅速解決のコンサルティングを提供。メンタルヘルス不調やハラスメントが関わる深刻な案件も、依頼者に寄り添って解決まで支援。日本産業保健法学会理事など、労働法務と産業保健を架橋する活動、執筆・講演も多数。
「日本の人事部」「HRカンファレンス」「HRアワード」は、すべて株式会社HRビジョンの登録商標です。
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