講演者インタビュー
人材育成に留まらない、付加価値も生む研修設計方法
〜本気の環境が創り出す想定外が起きる学習のしくみ〜
株式会社machimori 社会共創事業部 事業部長
佐々木 梨華氏
「研修は投資ではなくコスト」。と扱われ、頭を悩ませている育成担当者の声は少なくありません。本講演では、人材育成と社会価値創造を両立する研修設計法についてお話します。一般的な研修会社ではない、民間「まちづくり」会社ならではの、予定調和ではない想定外が起きる環境下での研修設計効果や、社会価値創造した事例を紹介。人材育成に留まらず企業価値向上にインパクトを与える研修設計のポイントをお伝えします。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
「越境学習」は、所属する組織の枠を越境し、往還することによる学びであり、「イノベーション人材育成」や「キャリア自律」に効果があると言われています。昨今、越境学習に関心を持つ企業、既に導入されている企業が多くなっています。一方で、現地への交通費などのコストが高くなってしまう点や、効果を持続させたり、組織で浸透させたりする難しさなどの課題についてお伺いすることも少なくありません。
今回の講演は、越境学習の取り組みが企業価値向上につながることを、まちづくり会社の視点でお伝えします。さらに、付加価値を生み出す手法やポイントについて、人材・組織・地域が変容した熱海での事例 を交えてご紹介します。越境学習に関心のある方はもちろん、既に越境学習を導入されている企業の方にも、ぜひお聞きいただきたい講演です。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
私たちは、2011年から「50年後の日本の姿」「社会課題先進地」と言われ、衰退していた熱海市の再生に取り組み始めました。その後10年以上に渡り、民間のまちづくり会社として、補助金に頼らず自らリスクをとり、次々と事業を生み出すことで地域課題解決に挑み続けてきました。その成果は書籍『熱海の奇跡』の出版や、テレビ東京『カンブリア宮殿』にも取り上げられたほどです。
その後、その地域再生の手法から学びたいという企業が熱海を訪れるようになり、企業研修事業をスタートしました。昨今企業の人材育成として注目されている「越境学習」を、地域としていち早く取り入れた取り組みでもあります。
そして、私たちが行ってきた企業研修では、まちづくり会社ならではの研修設計の視点を重視することで、人材育成に留まらない付加価値が生まれ始めています。企業研修という機会を通じて、人材・組織・地域が共に変化することで、越境学習の効果が最大化される、そのポイントをお伝えします。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
地域の課題は複雑かつ多様であり、課題解決よりも課題の進むスピードの方が速い状況です。だからこそ、地域外の企業の皆さんとも共創し、地域や社会の課題を解決していきたいと考えています。その一つとして、人材育成や事業開発のフィールドとして企業の方々に熱海を使っていただきたいと思っています。
地域に根ざしたまちづくり会社だからこそ実施できる「研修であって、研修ではない」実践型のプログラム。これからの社会に必要な人材育成のあり方を共に考え地域から変革していく取り組みにぜひ参画いただければと思っています。
- 佐々木 梨華氏(ささき りか)
- 株式会社machimori 社会共創事業部 事業部長
- 東北大学大学院卒業後、人材開発・組織開発のコンサルティング会社に就職。営業所長を経て、一般社団法人RCFに参画。経産省「越境学習によるVUCA時代の企業人材育成」事業を企画・推進。2019年よりmachimoriに参画、企業研修事業を立ち上げ、100社、1,200名以上の越境学習をコーディネート。
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