講演者インタビュー
【大成建設 OJT改革に学ぶ】若手社員が自律的に考える力を身に付け、定着し成長し続けるしくみとは?
大成建設株式会社 管理本部人事部 人財研修センター人財研修センター長
田中 康夫氏
若手社員の定着と育成は、本部の人事担当や現場の教育担当の大きな課題です。しかし、「キャリア自律の意識が育たない」「社員同士のつながりがなく孤独を感じる」という状況を招き、早期離職に至るケースが少なくありません。本講演では、大成建設人財研修センター長の田中様をゲストにお招きし、多拠点に配属された若手社員が相互にフォローし合いながら、個々の自律を促している「OJT改革」のポイントをお伝えします。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
せっかく苦労して採用した社員が数年もたたないうちにやりがいを失ってしてしまう。
そのような悩みを抱えている企業も多いのではないでしょうか。
昨今、働き方や価値観の多様化も進み、従来型の徒弟制度のOJT、上意下達のコミュニケーションはもはや通用しないため、企業全体が若手社員としっかり向き合う必要があります。本講演では、若手社員が生き生きと働くために実施したOJT改革について解説いたします。
●若手社員が自律的に考え、行動できない
●若手社員が成長実感を持てていない
●現場でのOJTが継続しない、形骸化している
●社員同士がうまくコミュニケーションがとれてない
上記のような課題をお持ちの方はぜひ、ご参加ください。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
ポイントは“「振り返りの型」を用いた若手社員同士のコミュニケーション”です。
自身の経験を次に生かしたり、他者の経験を自分に取り入れたりするには、経験・振り返り・教訓化・実践のサイクルを回す「経験学習サイクル」に当てはめてお互いの仕事を共有することが大切だと考えました。
そこで当社では、経験学習サイクルに則した「振り返りの型」を取り入れ、その型に沿って若手社員に毎週業務報告をしてもらうことにしました。
具体的には、全国に配属された若手社員がチームごとにオンラインで集まり、先輩社員を交えて実施しています。当初は、計画的に業務が遂行できている人とそうでない人のバラつきが大きかったのですが、専用ツールを用いることで、他者の業務報告を見て仕事の進め方をまねることができたり、若手社員同士がお互いの気づきをフィードバックしたりして、非常に良い循環が生まれています。
今の若手社員にフィットするOJTのあり方について、私たちが考え抜いて行い、手応えを感じているアプローチをご紹介したいと考えています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
多拠点に配属された若手社員を本部にいる人間がどうやってサポートしていけるのか、オンラインで今より密な関係が構築できるのかと非常に悩みました。
しかし、現在は若手社員から「毎回たくさん褒めてもらえるので、自尊心が上がった」「自己効力感が上がるので、毎週楽しみ」という声が上がっています。
私たちが試行錯誤しながら進めたプロジェクトを共有し、企業の将来を担っていく若手社員の定着・育成について皆さんと共に考えていきたいと思います。
- 田中 康夫氏(たなか やすお)
- 大成建設株式会社 管理本部人事部 人財研修センター人財研修センター長
- 新卒で大成建設に入社し、国内外の建設現場の事務業務や本社機構での各種プロジェクト推進を経験。2023年7月より、全社的な人財育成制度や研修改革の推進責任者として、TAISEI VISION 2030の実現に向けて、各種人財育成施策の企画と具現化を担当する。
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