講演者インタビュー
4万人の心を動かした住友生命の「ブランド・ライブ」
一過性にしない職員へのビジョン浸透施策の裏側
株式会社タノシナル 代表取締役
福島 ツトム氏
人材の流動化が進み、優秀人材の定着が重要な経営課題となる中、従業員に企業理念やビジョンを浸透させるインナーブランディングは今や欠かせません。住友生命は2021年に策定したブランド戦略2.0「一人ひとりのよりよく生きる=ウェルビーイング」の浸透と、職員のポジティブな行動変容に向け、4年間にわたり全社イベントを開催しています。その取組み、施策の背景や意図、そして職員の変容過程についてご紹介します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
インナーブランディングに課題を感じている人事、広報、経営企画などを担当されている方にお聞きいただきたい内容です。特に大企業では組織が細分化し、本社と現場、経営層と従業員の距離があります。経営方針を伝えてもなかなか伝わらず、自分事として捉えてもらえないという課題をお持ちかと思います。本講演はそういった方々にとって参考になる講演だと思います。
本講演で一緒にご登壇いただく住友生命保険相互会社では、4万人以上の職員が働いており、そのうち3万人以上が営業職員。全国に1500ヵ所の支部があります。取り組みを始めた2021年は、新体制のもとで新たに策定したビジョンを職員に浸透させるために、何をどのように発信するべきか模索されていました。経営層や本社から一方的に伝えても残念ながら職員の心に届かず、何も伝わりません。どうしたら一人ひとりに伝わるのか。当社 は、そのための施策をこれまで4年間共に考え伴走してきました。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
インナーブランディングの課題に対する具体的な取り組みのお話はもちろん、実際の取り組みの映像もお見せし、4年間を通したポジティブな変化についてお伝えしたいと思います。
ビジョンを伝えるための社内イベントを開催すると、経営層の思いをはじめ、さまざまなことをあれもこれも伝えたいあまり、結果的に長時間にわたり一方的に話す場面が多く、内容も散漫になってしまいがちです。
そんな中、住友生命との取り組みの中で最も大切にしたのは、「職員の方々が受け身にならず、心で感じて共感する」ということです。最初は、当社の提案は突拍子がないものに思われたかもしれませんが、この4年間、一貫してそのことを軸に、一緒に取り組みを進めました。すると、年を追うごとに、よりリアリティのあるアプローチへと変化してきました。
職員の皆さまの本音を引き出すインタビューや様々な課題と向き合い、日々模索しながらも熱心に仕事に向かう姿に密着する映像 を用いて徹底的にリアルに迫った結果、「悩んでいるのは自分だけじゃなかった」「同じ会社の中にこんなふうに信念を貫いている人がいる」と、同じ気持ちで働いている人がいることが一人ひとりの職員の心の支えとなり、企業の力になっていきました。
その共感のバトンをつなげていきながら、変化を恐れずに挑戦を続けることで住友生命のインナーブランディングは進化し、経営層と職員、他の営業拠点の職員同士が相互理解を深め、行動変容が起きています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
当社が考えるインナーブランディングは、イベントを開催することが目的ではありません。企業のご担当者と共により踏み込んだ本質的な課題に向き合いながら、常識に捉われずに企画・実行し、変化に対応しながら取り組んでいくことが使命だと思っています。
本講演では、住友生命のインナーブランティングにてプロジェクトを中心となって推進されてきた方、現在のご担当者、さらに当社のプロジェクトメンバーそれぞれの視点からお話しします。実際の映像なども交えながら、可能な限り具体的にお伝えします。ここでしか聞くことができないお話も飛び出すと思います。ぜひ、皆さまのご聴講をお待ちしています。
- 福島 ツトム氏(ふくしま つとむ)
- 株式会社タノシナル 代表取締役
- 演出家・プロデューサーとして20年以上テレビ業界で活躍し、2012年にタノシナルを創業。企業のインナーブランディングをサポート、独自の「飽きさせない」手法でコーポレートイベントに数々のイノベーションを起こしてきた。映像社内報では、経団連社内報審査総合賞など多数の受賞歴を持つ。
「日本の人事部」「HRカンファレンス」「HRアワード」は、すべて株式会社HRビジョンの登録商標です。
当社はプライバシーマーク取得事業者です。類似のサービスやイベントとの混同にご注意ください。