講演者インタビュー
従業員の意識と行動を変えるダイバーシティ推進
~コカ・コーラボトラーズの取り組みから考える~
サイコム・ブレインズ株式会社 専任講師 DE&Iプログラムディレクター
太田 由紀氏
DE&Iには様々な領域があり、アプローチにも唯一の正解がないことから、施策の優先順位づけや効果検証に悩む企業も少なくありません。中でも、従業員の意識変革をどう進めるかは、難しいテーマではないでしょうか。本講演では、女性のエンパワーメント、年代・世代、LGBTQ+への理解促進など、多角的に取り組むコカ・コーラボトラーズからお話しを伺い、従業員の意識と行動の変容に繋がるDE&I教育のヒントを探ります。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
「DE&I」の範囲・概念は広く、また、想起する内容も、組織・個人によって異なることから、どのテーマに、どのように取り組むか、ゴールをどこに置くかなどもさまざまであり、唯一の正解がありません。
それゆえに「DE&I」施策の進め方や検証に難しさ、わかりづらさを感じている企業のご担当者も少なくありません。一つのテーマについてアクションを決めて取り組むことはできても、全体の道筋を描こうとしたときに、「終わりが見えない」「進捗が把握しづらい」「今後の方向性が定めにくい」といったお悩みの声を頻繁に聞きます。
本講演では、「DE&I」のさまざまなテーマに幅広く、力強く取り組むコカ・コーラボトラーズ社に、これまでの歩み、活動の中で直面した課題、これからの方向性などについてうかがい、「DE&I」推進における普遍的課題や効果的アクションを明らかにしていきたいと考えています。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
「DE&I」推進とは、「組織文化を変革する取り組み」でもあります。異なる個性や属性をもつ人々が、それぞれの違いを強みとして発揮できる環境をつくるためには、各種制度の整備と並行して、社員一人ひとりの意識・行動に働きかけ、文化・風土を変えていく必要があります。
本講演のポイントは、特に取り組みが難しい「社員の意識・行動の変革」に焦点をあてながら、「DE&I」推進の先進企業、ならびに人材開発領域のエキスパートの視点から、企業が自社の文化を変えていくための理想的アプローチについて考察、解説を行う点です。
冒頭では、「DE&I」を進める企業の課題について、ご参加の皆さまからリアルタイムアンケートでうかがいつつ、10年以上にわたり企業のDE&I推進を支援してきたサイコム・ブレインズの太田由紀が解説を行います。
対談では、ジェンダー、年齢/世代、障がいの有無などにおいて多様なメンバーが、最大限能力を発揮できる職場環境の構築を目指す、コカ・コーラボトラーズ社の先進的取り組みについて、同社DE&Iプロジェクトリーダー遠藤ゆみ氏よりご紹介いただきます。
コカ・コーラボトラーズ社の成り立ち、組織内外の状況といった、同社の活動や組織文化の背景にある要素や、取り組みの中で見えてきた課題についてもうかがい、太田とのディスカッションの中で深掘りすることで、今後、企業にどのようなアプローチが求められるかを探っていきます。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
あらためて、「DE&I」推進は、組織文化変革の取り組みです。
文化が変わるには時間がかかり、数年~10年単位での取り組みが必要になります。そして、そこに人材開発が寄与できる部分は大きいと考えています。
組織の現在地を知ること。従業員一人ひとりが「DE&I」の全体像を、まずは広く・浅く理解すること。自分たちが目指すべき組織の形をイメージできるようになること。こういったことが、ダイバーシティの推進においては非常に重要です。
本講演がそのヒントになることを願っています。
- 太田 由紀氏(おおた ゆき)
- サイコム・ブレインズ株式会社 専任講師 DE&Iプログラムディレクター
- 一橋大学社会学部卒業。株式会社リクルートを経て、1986年ブレインズ株式会社を設立。2008年より2024年6月まで、サイコム・ブレインズ株式会社専務取締役、取締役専務執行役員を務める。ダイバーシティ、キャリア開発、ヒューマンスキル領域のプログラム開発を統括し、講師として年間百数十日の研修に登壇。
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