講演者インタビュー
研修内製化の講師問題をどうする?
誰もが教え上手になれる講師スキル5つの視点と標準化のポイント
株式会社市進コンサルティング 代表取締役
細谷 幸裕氏
研修の内製化を進める際に、教育体系や研修プログラムの改善に取り組む企業は多い一方で、教え方の標準化に着手している組織はまだ多くありません。講師役は負担が重いイメージがあり、各部門から敬遠されるケースもあります。本講演では、どんな講義・研修であっても学習効果の高い教え方ができるポイントをお伝えし、誰もが社内講師として主体的に安心して登壇できる環境づくりについて考えていきます。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
研修の内製化を推進していく上で、教育体系や研修プログラムの設計の他に「誰に社内講師を依頼するか」という課題があります。現状、社内講師の多くは人事担当者や講師経験者ら特定の人に偏りがちですが、本来であれば各部門から希望者を募り柔軟に依頼できる形が理想です。しかし、通常業務を抱えながら社内講師を担当するには負担が大きく、登壇への不安から敬遠されがちで、「講師をやってみたい」と思える環境が整備されていないのが実情と思われます。
この講演では、「誰もが講師になれる環境づくり」が「学び合う組織づくり」につながるという視点から、教える際に留意したい五つの観点と具体的なスキルを紹介します。組織内に教える人を増やしたいと考える人事部門やマネジャーの方、社内講師をやってみたいけれど不安のある方に適した内容になっています。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
弊社は塾予備校の講師養成メソッドを応用し、社内講師の方を対象にトレーニングを展開しています。そのノウハウには、「巻き込み方」「考えさせ方」「双方向の生み出し方」など、学習効果を高める具体的なポイントが体系的にまとめられてあり、どんな研修でも、どんなレベルの方でも、登壇の際に応用可能な知見がまとめられています。
例えば、「巻き込み方」であれば、講師の話し方を変えるのではなく、受講者への指示の出し方や出した後のマネジメントの方法によって反応が変わってきます。また、「考えさせ方」であれば、発問のレベルとタイミングを調整することで、学習効果の高い展開が期待できます。
私たちは、これまで培ってきた教えるスキルが単に講師個人への定着にとどまらず、多くの社員に根付いていくことで、全ての人が「自ら教えてみたい」「他者から学んでみたい」と思える組織づくりを目指しています。そして教える楽しさと自らが学ぶ楽しさを体験しながら、社員同士が「互いに教え合う文化」を組織内に創り出していきたいと思っています。この講演がみなさんにとっての学びの一つになればと思っています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
塾予備校の講師養成スキルが、大人の学びにも役立つことが感じられる講演になると思います。当日は参加される皆さまからの質問や疑問にもお答えしながら、学びのある時間を共有したいと考えています。
- 細谷 幸裕氏(ほそや ゆきひろ)
- 株式会社市進コンサルティング 代表取締役
- 塾予備校業界での講師養成トレーナーを経て、現在は金融機関・情報通信企業・製造業・教育委員会等でラーニングキャピタルを基盤とした社内教育体系の設計・運用および社内講師養成を支援している。また、最近ではZ世代のマネジメントに悩むリーダーを対象に塾予備校の講師指導メソッドをもとにした研修をおこなっている。
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