［主催］日本の人事部「ＨＲカンファレンス」運営委員会［後援］厚生労働省

――　今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか？

管理職にとって、大変な時代を迎えています。私は、マーサージャパンにおける人材開発部門のリーダーとして、さまざまな企業研修で講師を務めていますが、研修現場で日々それを実感します。

デジタル化、グローバル化、オープンイノベーション、リモート勤務に代表される働き方の変化や、多くの企業が関心を持つジョブ型人事。トップからはアジャイルな事業・組織運営を求められ、チームには年上や外国人の部下もいればZ世代も入社してくる。管理職を取り巻く環境はかつてないスピードで変化し、管理職のマネジメントのあり方に大きな変化をもたらしていることは想像に難くありません。

本講演では、管理職の皆さまや、現場のマネジメント改革とそのための教育を支援する人事の皆さまに向けて、管理職に求められる在り方の変化に対応していくために意識すべきポイントやヒントをお伝えいたします。

――　今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。

●孤立化する管理職
不確実性の時代にあって、デジタルや新規事業など、新しいチャレンジをしなければ企業は生き残れません。仕事そのものの難易度や、課題の難易度も上がっており、部下に任せて育てるにも、以前にはなかったような難しさがあります。

これまでのスキル・経験で乗り越えることが難しい場面が増える一方、リモート勤務が中心となる中で、私が感じるのは、管理職の孤立化です。ミドル、またミドル候補者は、相談したくても気軽にできる相手がいない孤独な状況に立たされています。

上期にいくつか集合型の研修で講師を務めましたが、一番盛り上がったのは、互いの日頃の悩みの共有でした。相互啓発、体験共有する場としての研修の意義が改めて強まっていると感じます。

●これからの管理職に求められるスキル
それでは今後、管理職へのスキル付与には何が有効なのでしょうか。講演では以下のようなポイントを取り上げます。

・事業戦略に基づく組織設計と個人のキャリア志向を結びつけて語ることができる『マネジメントとしての言語化力』
・事業目標達成と部下の成長を高度に統合できる『ストレッチアサイン力』
・心理的安全性を担保し、個人の知見を組織にレバレッジできる組織風土を構築・維持できる『オープンイノベーション推進力』　

いずれも管理職にとって必須のスキルであり、強化が求められる領域です。

――　講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

ご参加いただく人事・人材開発担当の皆さまには、現場でマネジメントに寄り添い、悩める管理職が必要としている支援や教育を提供することが求められているでしょう。各社で「管理職のスキル」や「マネジメント」のスタイルチェンジの試行錯誤が始まっていますが、皆さまはどのようにお考えでしょうか。

検討を進めるきっかけとして、私の考える方向感や仮説をお伝えします。あわせて、人事の皆さま自身のケイパビリティ強化についても情報ご提供できればと思います。少しでも今後のヒントとしていただければ幸いです。

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