［主催］日本の人事部「ＨＲカンファレンス」運営委員会［後援］厚生労働省

――　今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか？

企業を取り巻く環境変化は激しく、イノベーション活動やDXに代表されるように、変革へのニーズが高まっています。このようなVUCAの時代において、経営は、変化に対応していくための戦略に舵を切ることが予測され、人事には、戦略に貢献する機能が求められます。

一方、人事の領域では、働き方改革、女性活躍推進、人的資本経営など、さまざまなトピックが次々に生まれています。時代や社会の要請を受け、これらの人事施策に取り組むことは、果たして戦略人事につながるのでしょうか。両者のつながりを曖昧にしたまま流行り の人事施策を導入したり、施策を導入すべきか迷っていたりする人事部門も多いのではないかと思います。

本講演では、学術研究やHYAKUNENが実施したデータ解析結果に基づいて、戦略人事と人事施策をつなぐKey Factor、そして真に会社を変える人事となるためのポイントを解説します。

――　今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。

近年、人事部門に求められる機能として、「戦略人事」というワードを目にすることが増えています。人事に携わる方であれば、人事部門として可能な方法で、経営や事業に貢献したいという想いを少なからず持っていると思います。

取りざたされ、ある意味で「流行っている」人事施策については、導入・実施している企業の中をのぞいてみると、実にさまざまなパターンがあります。時代の要請だから、という理由しか見つからない会社もあれば、担当者一人だけが強く啓発され、現場との温度差がある会社もあります。しかし、いずれの場合も戦略に貢献しているかは、十分に検証されていないように見受けられます。

本講演は、流行りの人事施策を中心に、本当に効果があるのか、そして、そのような施策は「戦略人事」につながるのか、という問題意識を起点としています。大規模定量データをもとに、さまざまな解析技術を駆使すると、人事施策が効果を生むには一定の条件が求められることや、せっかく施策を導入しても、弊害を生むことがあるということが明らかになりました。さらに今回、戦略に貢献するための重要な要素を抽出し、人事部門に求められる新たな役割を整理することができました。

本講演は、コロナ禍やグローバルなリスクが日常にある極めて不確実な時代に、「経営・事業に真の意味で貢献する人事」と、「人事部のための施策を繰り返す人事」の違いを探求していきます。

――　講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

弊社は、企業変革を多数行ってきたコンサルタントやデータサイエンティスト、経営学者などが参画しているコンサルティングファームです。大小さまざまな企業・組織に変化を生み出す仕事をしています。また、データサイエンス技術を用いたHRテクノロジー分野のスタートアップMaxwell's HOIKOROを経営しています。

本講演では、変化の時代を背景にさまざまな要請がある中で、人事施策の扱い方、経営や現場に対するスタンス、会社を変えるという難題に立ち向かうためのアプローチなどが見えてくるのではないでしょうか。 各企業の置かれた状況を踏まえながら、これからの人事部門のあり方を考え直すきっかけにしてほしいと思います。

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