講演者インタビュー
日系大手企業:再成長に向けた4つの視点
今、リーダーが取組むべきHRトランスフォーメーションとは
OXYGY株式会社 代表取締役/アジア・パシフィック代表パートナー
太田 信之氏
日本企業の多くで、未だ高度成長期の成功体験を前提とした"型"の影響が色濃く残った経営が行われています。競争環境は変わり、デジタル時代の新たなプレーヤーが勃興する中、自社の明るい未来を見出すには、どうすればよいでしょうか。人材版伊藤レポートを交えながら、その道筋を「ガバナンス」「経営の役割」「戦略~人事ポリシー」「風土・文化のリセット」の視点で解説し、人事機能に必要な変革について皆様と伴に考えます。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
大手日本企業は苦しんできました。変わらなければならないと言われ続けてきた中で、いくつかの大手企業は、自社のポートフォリオを組み換え、新しい価値を見つけて転換に成功したかもしれません。
しかしほとんどの大手企業は、まだ自社を大きくした当時の考え方や価値観から抜けきれてないようです。一方で競争環境の変化は激しく、欧米だけでなく、中国、インドなどから新興企業が次々に目の前に現れています。
競争環境の変化のほとんどは、テクノロジーの進化、そして地球環境の変化から社会的要請となっているSDGs、その実現に向けて金融機関までもが腰を上げつつあるESG投資にさかのぼります。こうした事業環境の変化に対して、企業も当然適応していく必要があります。
今回の講演では「ガバナンス」「経営陣の役割」「戦略・人事ポリシー」「風土・文化のリセット」の観点から事例も含めて、変革のための具体的な進め方を紹介します。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
企業内の実務と、経営、それぞれの現場で、いまなにが起こっているのか、企業のパフォーマンスをどう上げていくのか、人財や組織の視点から、企業パフォーマンス(結果)にどう影響していくのかをひもといていきたいと思っています。
具体的には、まず四つの視点で議論します。
最初の二つは、企業のガバナンスと、中長期的なパフォーマンスの関係、社長を含めた経営陣の役割です。戦略だけでなく、人財をどう企業のパフォーマンスと結びつけて考えるのか、その枠組みについて事例とともに話します。
次の二つは、経営の枠組みの中で、人財・組織をどうするか。そのためのポリシーと、そのポリシーが生きたものとして根付くために、企業文化や風土をどう変えていくかについてです。
これらのキートピックを議論しながら、最終的には人財や組織を考えるのは人事部門だけの仕事ではなく、事業や各機能のリーダーが関わる必要性について紹介し、人事部門自体の役割や付加価値の出し方についての変革の必要性まで紹介します。
これらのトピックを机上の空論として終わらせないために、最も大事なことは具体的な一歩を踏み出すことです。
大手企業の置かれている状況はさまざまですが、多くの企業でまず自社の置かれている状況の客観的把握と、それにより生まれるはずの健全な変革の必要性をどう探り出し、具体的な活動に結びつけていくかをご紹介したいと思っています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
だから日本企業はダメなんだ、という一方的な北風のアプローチは私達OXYGYのスタイルではありません。厳しさを客観的に認識しながらも、可能性を見つけ、共に進むべき方向をデザインし、その実現まで伴走する。そんな進め方を、ぜひ聞きに来てください。
- 太田 信之氏(おおた のぶゆき)
- OXYGY株式会社 代表取締役/アジア・パシフィック代表パートナー
- OXYGYアジア部門の責任者。25年に渡り、業界、国を超えて、戦略、イノベーション、事業変革(再生)、リーダーシップをテーマに、インパクトを生むことを信条にコンサルティングだけでなく、実践的な事業開発(M&A、スタートアップ投資等)を行ってきた。クライアントと共に成果を出すことが生きがい。
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