講演者インタビュー
【隠れ介護者の突然の離職を防ぐ!】従業員の介護に関するリスクを防ぐために、人事が持つべき3つの観点
株式会社ワーク&ケアバランス研究所 代表取締役
和氣 美枝氏
「介護をしていることを言い出せない、伝えるきっかけがない」といった隠れ介護者の存在が問題となっております。このような隠れ介護者から自発的に声を上げてもらい、突然の介護離職を防ぐために人事部として何ができるのでしょうか。本講演ではなぜ隠れ介護者が生まれてしまうかを、実際の従業員の声も踏まえながら説明し課題を分解したうえで、介護離職防止推進のために今すぐ持つべき3つの観点を解説します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
・人事部に着任したてで、仕事と介護の両立支援がわからない
・実際に何から取り組めばいいのかわからない
・ 介護をしていることを言い出せない従業員が多い気がする
・介護中の従業員へどう支援すべきかわからない
・ 外部相談窓口の利用率が低い、セミナー参加率が低い
2025年問題が目の前に迫ってきた昨今、「仕事と介護の両立支援」は企業の重要課題の一つとして取り組む必要があります。今後は、問題が一気に表出する企業も出てくるでしょう。しかし、顕在化してからでは対応が後手に回ってしまい、課題がより深刻化してしまいます。そのため、今すぐに対応を進めていくことが重要です。
一方で、そう理解していても、冒頭に挙げたような課題をお持ちの方は多いのではないでしょうか。そんな「取り組みを始めようと思っている、現状取り組みを進めている」企業人事担当者にとって、今後の道しるべとなる情報をお伝えします。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
本講演では当社に寄せられる働く介護者の声を紹介しながら、介護中の従業員との関わり方をお伝えするとともに、従業員巻き込み型の仕事と介護の両立支援について解説します。そのうえで、隠れ介護者を無くすための具体的な取組についてご紹介します。
仕事と介護の両立は、従業員にとって急に対応を迫られる課題です。突然はじまる介護に「介護は自己犠牲の上に成り立つ」そんな思い込みから、自らのキャリアを諦め離職を選ぶ従業員さえいます。
人事部としては一生懸命に施策を実施しているにもかかわらず、従業員が介護をしていることを言ってくれなかったり、従業員が相談に来るときは「辞めます」の報告だったりするとモチベーションが下がることもあるでしょう 。仕事と介護の両立は人事部だけの問題ではありません。「自分事」としてとらえてもらうためにどうしたらいいのでしょう。
しかし、これらは施策の工夫とひと手間で劇的に変えることができます。従業員から「ありがとう!助かった」という声が届くようになります。結果、隠れ介護者が減り仕事と介護の両立のしやすい職場や風土に近づけることができるようになります。
仕事と介護の両立支援において、回り道することなく効率的に結果を出し続けるポイントについて事例を基にご説明します。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
「病気と言えば病院、介護と言えば地域包括支援センター」の合言葉が浸透していない中で、介護離職は起こるべくして起きていると言っても過言ではありません。
【大事な家族の介護があっても自分の人生をあきらめない】ためには、仕事と介護の両立が特別なことではない社会をつくっていく必要があります。この未来は人事部の皆さまのお力添え無くして描けません。
本講演が、仕事と介護の両立支援に取り組む皆さまにとって、従業員一人ひとりのキャリアを実現し、安心して活躍してもらうためのヒントとなれば幸いです。
- 和氣 美枝氏(わき みえ)
- 株式会社ワーク&ケアバランス研究所 代表取締役
- 要介護5の母と同居しながら働くシングルケアラー。「介護離職しない、させない」を対象とした働く介護者当事者による介護者支援事業に取り組む唯一無二の存在。仕事と介護の両立の企業セミナー等は年間約50回、個別相談は年間延べ300件程。分かりやすい、元気が出る、具体的かつ実践的と定評がある。
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