講演者インタビュー
組織開発という「手段」の「目的化」を防ぐ
~正しい実践者達の在り方と実行プロセスとをいかに作り出すか。
F2F株式会社 代表取締役
百野 あけみ氏
VUCA時代の今、組織の成果・持続可能性を高める手段として組織開発が注目されていますが、いつしか実行が目的になっていませんか。そうならないよう必要なのは組織開発の主体者と、変化を起こし始める場所を明確にすること、そしてアジャイルに回し続ける仕組みです。本講演では複数年にわたる実践事例をなぞりながら、そのプロセス、身に着けるべきスキルセット、そして、ぶれないマインドセットの維持方法を論じます。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
組織開発とは、ヒューマンプロセスへの働きかけを通じて組織の効果性と健全性を高め、組織を成長、発展させていく取り組みの総称であり、人事、組織開発部門のみならず、組織経営や運営に従事する全てのリーダーにとって必要不可欠な関心事であるはずです。
本講演では特に、以下のような課題をお持ちの方を対象にお話しします。
■部下や社員の自律性を育む関わり方、人が生きる組織風土を醸成したい
■これまでに何度か組織開発に取り組んできたが、いまいちその効果性を得られていない
■組織開発に取り組みたいが、具体的な実践方法やダイナミックなアプローチがわからない
■組織内のセクショナリズムが強く、部門や部署を超えた協業やシナジーが起こらない
■外部のエージェントやコンサルタントが去った後も、自らの手で組織を開発し続ける組織風土、文化を育みたい
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
組織開発はさまざまな理論やディシプリンを源流に持っているため、その範囲は広く多種多様なメソッドやツールが溢れていますが、実践者であるプラクティショナーの視点で組織開発が語らえることはこれまでほとんどありませんでした。
本講演では、組織開発プラクティショナーの視点に立ち、実際にリアルな現場で組織開発を実践し、機能させる一つのアプローチであるアジャイル組織開発の考え方と、それを実践するプラクティショナーに大切な本質について、以下のポイントを中心にお伝えします。
■ 組織開発プラクティショナーがすべきことと知っておくべきこと
■ 組織開発プラクティショナーはカオスと変化の境界で生きる
■ 最前線に立つ組織開発プラクティショナーと後方支援する組織開発プラクティショナー
■ 人の行動変容を支援する組織開発プラクティショナーの関わりとありよう
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
自分自身が組織内部の組織開発実践者だった頃を含めると、組織開発というものに関わって20年余りの歳月が流れました。自身の実践経験を含め、これまでにさまざまな組織の開発を支援に携わってきました。
そのような経験を経て、今改めて思うことは、組織開発というのはその本質をないがしろにしては決して機能しない、ということです。その本質の大切なことを一人でも多くの方にお伝えすると共に、私が持つあらゆる知見、ノウハウ、スキルを移転することで組織内に組織開発を実践していくプラクティショナーを組織内に育てること、そして私が去った後も自律的に自身の手で組織を開発していく組織風土づくりに伴走することが私のミッションだと思っています。
- 百野 あけみ氏(ひゃくの あけみ)
- F2F株式会社 代表取締役
- 大学卒業後、ソフトウエア開発に従事した元SE。2002年からのトヨタ自動車での勤務時代に組織開発を実践。2009年よりコンサルティングファームPwCにて、BPR・SCMコンサルタント。2013年に独立、創業し組織開発コンサルタントとして活動中。
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