講演者インタビュー
"リアリティギャップ調査"から紐解く、Z世代向け新人育成の最適解
Original Point株式会社 代表/東京経済大学 キャリアデザイン研究所 客員研究員
高橋 政成氏
新卒の就社意識が薄れる昨今、"リアリティギャップ" による早期離職等の課題が散見されるようになりました。弊社は中小〜大手企業9社の協力を得て、"リアリティギャップ調査"を実施。打ち手を研究して新卒一括採用にフィットする"日本型のキャリア開発"を推進してきました。本講演では、調査結果とそこから導き出した新人育成のヒントについて、事例を交えてご紹介します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
「早期離職」「主体性の欠如」「20代後半のエース社員の退職」といった課題意識から、20代社員の方々の“人材開発・キャリア開発” や “エンゲージメントを高める施策”に悩まれている方にはフィットする内容です。
昨今、一括採用という日本独自の文化の中で、転職へのハードルが下がり、就社意識の低い20代の方々の育成のハードルは年々、高まっています。
だからこそ、「キャリア」「エンゲージメント 」「オンボーディング」というキーワードに注目が集まっているのだと感じています。
とはいえ、複雑な人事課題に流行の施策を取り入れても、簡単に解決する訳ではありません。本講演では、研究を基に構築した理論と実践をお伝えできればと考えています。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
リアリティショックを和らげ、Z世代である新卒者の主体性を高めていくためには「配属前までの育成施策」「配属後の育成施策」の両輪が噛み合うことが重要です。
本年度、当社では9社の中小〜大手企業向けに「リアリティギャップ調査」を実施しました。
「配属前にどのような情報を渡しておくべきなのか?」「配属後に、どのようなコミュニケーションが重要なのか?」など、“調査・研究” と “これまでの実践事例” を基に、不本意な離職を防止し、定着・戦力化を促すヒントをお伝えできればと考えています。
コロナ禍で育成施策の価値が見直される中、「入社前の育成施策」「入社後の育成施策」を再定義する材料になれば幸いです。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
Will-Can-Mustといったフレームに代表されるように、日本で広まっているキャリア理論は、ジョブ型の欧米から輸入された理論が多用されているのが現実です。
新卒一括採用型の日本企業においてMust(求められること)は、配属前までわからず、配属後も組織主導で都度変化していくため、輸入されたこの理論が必ずしもフィットするとは限りません。
Original Pointでは、日本風土に合ったキャリア開発を提供するため、研究・調査や、中小〜大手企業での研修や制度設計に携わる中で、その最適解を今も模索しています。パートナーとして共に探究する関係を築けていければ幸いです。
- 高橋 政成氏(たかはし まさなり)
- Original Point株式会社 代表/東京経済大学 キャリアデザイン研究所 客員研究員
- 新卒で人事コンサルティング会社に入社。研修開発、コンサルティング営業として、100社以上の人材育成に携わる。その後、大学・採用・育成の領域から、新たな価値を創るためにOriginal Point(株)を設立。キャリアデザイン研究所では、新卒のキャリア観や日本型のキャリア開発の研究を推進している。
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