講演者インタビュー
従業員が主体的に学び、考え、行動する人材をいかに育成するか
~研究所の取組と、動画活用の観点から~
メディアサイト株式会社 常務取締役/主体的学び研究所 所長
重田 拓緒氏
主体的に学び、考え、行動する人材はどうすれば育成できるのでしょうか。当社では、「主体的学び研究所」を通して、主体的に学ぶための環境や仕組みに関する活動をしています。今日、反転授業やアクティブラーニングを経験した人材が企業に入社し、企業内研修も革新の時を迎えております。本講演では、在宅勤務やテレワーク需要に対応した主体的な学びを促す環境の構築について、動画活用事例を交えてお伝えします。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
社員の自律的・自発的な学習を促したい。そうお考えの方は多いのではないでしょうか?
私たちメディアサイトは、多くの大学に、動画配信システムの導入を通じた反転授業/アクティブラーニング支援をしてきました。大学では数年前から文科省主導により、TeachingパラダイムからLearningパラダイムへの転換が図られてきました。そして今、そのような教育を受けた学生が若手として勤務する段階となっています。企業内の研修もまた、教育/指導といった視点から、協働/学び合いといった視点への転換が求められます。
私たちが運営する「主体的学び研究所」では、学修者主体の環境作りを研究してきました。自律的・自発的な学びの促進は、実は難しいことではなく、学び合う環境をいかに構築するかに掛っております。今までの研修スタイルに疑問を感じている方や、新しい形を模索するも予算の関係で進められていないという方に、是非お聞きいただきたいと考えております。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
主体性は育むことができるのでしょうか?
実は、教育の現場においても、明確な答えは得られておりません。そのような中でも、私たちは次の三つが重要なポイントになると考えています。講演で、事例も交えながら解説いたします。
1)学修者主体の環境をいかに構築するか主体的学び研究所が発行している書籍『主体的学び』7号の特集テーマ「教えることをやめられますか」では、学修者の主体性を促すには、学修者のインプットではなく、アウトプットが重要だということが述べられています。そのためにも学修者同士の交流の場を作り、学び合いを起こさせる環境を作ることが大切です。
2)ICEアプローチ
従来の枠組みでは、学習の「量」しか計測できませんでした。カナダのクイーンズ大学Sue Young先生が提唱されている教育モデル「ICEモデル」では、学習の「質」が計測できます。医療系の大学で実際に行われている、ICEルーブリックを用いた学修成果を可視化する取り組みについて紹介します。
3)動画の活用
学修者がただ単に動画を視聴することではなく、学修者が動画をアップし、学修者同士の学び合いを深めることが、動画活用における最大のポイントとなります。
企業内で個人の動画をアップする際のセキュリティ性が求められます。
また、動画のどの部分が、いつ、誰に視聴されているか、視聴履歴が詳しく取得できます。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
お客様の中には、「Mediasiteの動画を活用して、社長賞を受賞した」という事例がございます。経営層や社員から評価される学び合いの環境づくりについて、ご紹介いたします。
- 重田 拓緒氏(しげた たくお)
- メディアサイト株式会社 常務取締役/主体的学び研究所 所長
- 1997年に日本大学理工学部を卒業。同年4月に某映像音響システム インテグレート会社入社後、2010年にメディアサイト株式会社に入社。2016年から主体的学び研究所の所長に就任し、動画を活用した新たな教育モデルの研究に取り組む。2021年から、メディアサイト株式会社 常務取締役を務める。
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