講演者インタビュー
面接官による評価のばらつきを防ぐ
~採用要件を適切に設定するための採用基準の作り方と共有方法~
株式会社リーディングマーク プロダクト企画室 組織心理研究所 所長兼組織開発事業部 シニアコンサルタント
佐藤 映氏
働き方の多様化や採用のオンライン化により人材要件と採用手法が二重に変化することで採用ミスマッチに悩んでいる企業が増えてきました。採用基準が曖昧だと、面接官ごとの評価にバラツキが生じ、求めていた人物像に一貫性がなくなるリスクがあります。本講演では、臨床心理士である心理学のプロが採用要件の適切な定め方に使えるフレームワークなどを用いて「採用基準の作り方・採用基準の共有方法」を解説します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
現代では働き方が多様化していますが、コロナによってその変化がさら に加速しています。加えて採用の手法がオンライン化されるなど、人材要件と採用手法が二重に変化。よりよく組織を運営していくために必要な観点は、組織の内外から変化を迫られています。コロナ禍が長引く中で、人材やソフト面の課題に直面することも多いと思います。
そんな中、採用に苦戦されている企業も増えてきたと感じています。人材不足が叫ばれる中、全社一丸となって採用活動を展開している企業は多いですが、その際に課題となるのが「目線合わせ」です。面接経験が浅い現場社員の方も含めて、今自社に必要な人材の要件を適切に定め、面接官同士の目線合わせを行い、採用フェーズに合わせた適切な見極めを実施する必要性に迫られているのではないでしょうか。本講演はそんな課題をお持ちの経営者や人事の方向けに、採用要件の適切な定め方をお伝えします。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
採用要件を定める際のポイントは、候補者のスキルと価値観(自社のカルチャーとのマッチ度)をいかに見極めるかということです。必要なスキル要件に加えて、カルチャーマッチの観点で要件を定義し、目線合わせをすることは難易度が高く、感覚で行われてしまっているケースが多いのではないかと思います。日本の離職理由でも常にTOPに上がってくるのは、社長・役員・上司など、同僚との関係性です。カルチャーマッチし、気持ちよく働くことができなければ、その人が最大限の力を発揮できず、辞めてしまうこともあります。
本講演では弊社が提供する「ミキワメ」を利用しながら、性格データを元に組織や必要な人材像とのフィットを測るための基準をアップグレードする方法をお伝えします。講演をお聴きいただき、まずは定めるべき基準の全体像と、データの活用可能性について検討してみてください。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
人事施策に性格データを使うことが難しいのは、人の性格が大変個性豊かで複雑だからです。データは問題をシンプルに要約してくれますが、人自体はシンプルにはなりません。その複雑な「人」という存在をどう理解するのか。主観や感覚だけでなく、データの助けを借りながら、どう柔軟に採用を進化・改善させるべきなのか。心理学の視点も援用しながら丁寧にお伝えいたします。皆さまお誘い合わせの上、ぜひお越しいただければと思います。
- 佐藤 映氏(さとう うつる)
- 株式会社リーディングマーク プロダクト企画室 組織心理研究所 所長兼組織開発事業部 シニアコンサルタント
- 臨床心理士・公認心理師。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得退学。修士(教育学)。京都文教大学で教鞭をとった後、2020年にリーディングマークに入社。「ミキワメ」の性格検査、ウェルビーイングサーベイの設計責任者を務める。
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