講演者インタビュー
成人発達理論を管理職・マネジャー育成にどう活かす?
~マネジメント力向上の鍵は「忙しさからの解放」~
株式会社グローセンパートナー 代表取締役
島森 俊央氏
マネジャーは、マネジメント要素以外にもプレイヤーとしての多くの仕事を抱えています。マネジャーがついついやってしまう反応的な行動の多くは「忙しさ」が原因です。「忙しい」から部下の話にじっくり耳を傾けられない、「忙しい」から課題解決できない、と「忙しさ」にまみれて疲弊しています。マネジャー・管理職が忙しさから抜け出せない根本的な原因とマネジメント力向上のポイントを、成人発達理論の視点から解説します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
マネジメント研修を実施するたびに「学んだことは実践したいが、時間がない」という声を聞きます。なぜマネジャーは忙しさから抜け出せないのでしょうか?
マネジメント研修の成果は、研修後の時間の使い方(時間配分)が変化することだ考えています。特に、以下が成果だと考えています。
・将来を造るマネジャーになること(現在から将来のための時間創出へ)
・相手の本音を引き出す対話ができるようになること(自分中心から相手を考慮した時間創出へ)
ここで盲点となるのが、自分の時間を減らすスキル(仕事を任せたり、仕事をやめること)です。任せられない病・やめられない病が、マネジャー本人を苦しめます。
マネジメント力向上のためには、まずは、マネジャー自身のゆとり作りが大切であると考え、成人発達理論の視点を取り入れた「忙しさからの解放研修」を開発しました。成人発達理論をどのように活用するのか、研修事例を交えてご紹介します。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
「忙しさからの解放」の肝は、マネジャーが「正しさにこだわってしまう自分」から脱却することです。このこだわりは、成人発達理論では自己主導型の段階(オレンジ段階)でよく生じます。この段階では、ビジョンや目標を描いて、その実現に向かって自分の意志で行動ができるのが特徴です。一方で、自分自身の「正しさ」に固執しがちです。
自分の「正しさ」に固執すると、部下の話に耳を傾けられず、管理的なマネジメントになります。「時間がない」「忙しい」から効率的に仕事を進める必要があるので、部下の話に耳を傾けられなくなります。部下から見ると、上司のエゴ的・反応的な行動が目につき、不信感が生まれます。
「忙しさの解放研修」では、下記の流れでマネジャー自身に心のゆとりが増える体験をしてもらいます。
【理論編】成人発達理論の観点から、自分たちが「正しさ」に固執しがちであることに気づく
【体験編】「正しさ」を主張しているのは、本当の自分ではないことに気づく体験をする、「正しさ」の奥に潜む恐れを解放する
【実践編】実際に「やめること」「任せること」「許すこと」を決めて実践して、自分にゆとりができることを体験する
管理職・マネジャー自身が忙しさから解放される体験を通して、部下とのコミュニケーションも円滑になり、現場も忙しさから解放され、心理的安全性の高い職場へと変わっていくと考えています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
当日は、できる限り皆さんからの意見や質問をお受けしながら進めます。事前のご質問、当日のご質問・ご意見を楽しみにお待ちしております。
マネジャーを忙しさから解放し、経営者や役員も正しさの主張を和らげることで、心理的安全性の高い、生産的な学習する組織に生まれ変わります。経営の根幹といえる改革ができますので、問題意識をお持ちの方、自分の力で会社を変えたい方、マネジャーが忙しすぎることが問題だと認識されている方は、ぜひご参加ください。
- 島森 俊央氏(しまもり としひさ)
- 株式会社グローセンパートナー 代表取締役
- 2008年株式会社グローセンパートナーを設立 。人事制度導入や新入社員から役員/管理職クラスまでの教育研修を通して、クライアントの業績向上と社員活性化の実績を多く残している。加藤洋平氏から直接、成人発達理論を学び、自己変容の体験を進めており、一歩異なる視点でアドバイスができることが特徴である。
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