講演者インタビュー
社員と会社の志向は本当に交わらないのか? キャリア自律と会社の戦略を一致させる組織開発3つのポイント
株式会社エイチ・ティー 代表取締役
照井 直哉氏
企業が激しい環境変化に柔軟に対応するため「社員のキャリア自律」は重要なテーマです。一方でこのキャリア自律が「時に社員のキャリアビジョンと会社の戦略の矛盾につながらないか?」「最悪の場合、離職につながるのでは?」といった不安の声もよく伺います。本講演では、社員のキャリア自律を促進しつつも、これらの不安に対処するための「組織と個人の方向性を一体化させる仕組みづくり」について、そのポイントをお話しします。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
昨今企業が激しい環境変化に対応するために、社員が自律的に考えキャリア開発を行っていく重要性が増しており、当社でも多くの企業からご相談をいただいています。一方でキャリア自律は促進させたいが「社員のキャリアビジョンと会社の戦略の間に矛盾が生じてしまうのでは?」「社員が期待するキャリア開発の場を提供できないケースも」「社員の自律的な成長に現状人事制度では答えられない」「優秀人材の離職につながってしまうのではないか?」などご不安の声も耳にします。
私たちは、これらのキャリア自律促進に関する不安の原因は、(1)仕組み(土台)、(2)コミュニケーション、(3)(社員・会社双方の)意識の3つ のいずれかで打ち手が不明確、またこれらの整合性が取れていないケースに起因しているように感じています。
本講演では、これらの3つのポイントに対する打ち手とその整合性の取り方にポイントを置きながら、実例を交えてお話しします。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
VUCA時代に生き残る企業は、既存の枠にとらわれずに変化を続ける企業です。
これまでの人材育成は、先が見える未来を前提とした「会社主導の人材育成」が中心でした。その結果、会社が示したビジョンに対して役割をこなす人材を育成できた一方で、VUCA時代に求められる「自ら考え臨機黄変に対応する事ができる人材」はなかなか育っていないのが、多くの企業の実情ではないでしょうか。
一方でこれらの課題に対して「社員のキャリア自律」に取り組んでいる企業も増えていますが、社員のキャリアビジョンと会社戦略・制度のズレ、そのズレから発生する矛盾に起因する社員のモチベーションダウンや離職に対する不安の声をよくお聞きします。
この矛盾を乗り越えるためには、これまでの会社は社員を守る、社員は会社の戦略実現の為に尽くすといった「会社と社員の依存関係」から、「会社と社員その後のありたい姿を共有し、相互の実現に貢献し合える選択をする」といった相互信頼・相互選択の関係へシフトしていく事が重要だと考えます。
当社では2019年より「じぶん戦略」という自律型キャリア開発プログラムを開発・推進してきました。本講演ではこの「じぶん戦略」を通じて、企業と社員のキャリアビジョンを一体化、社員のキャリア自律と組織の活性化に取り組んだ事例をもとに、そのポイントをお話しできればと思っています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
当社は、人事コンサルティング・教育サービスを通じて「人生100年時代の働き方変革」に取り組む組織・人の支援を行っています。
支援に取り組む中で感じることは、仕組みづくりもさることながら、何よりその仕組みを組織へ浸透させていくことの難しさです。
本講演では、この課題に取り組まれている企業の事例なども交えながら、「社員のキャリア自律と会社戦略の一致」「社員と会社の相互信頼・相互選択の関係性の構築」のためのポイントをお話しいたします。自社の課題と照らし合わせ、解決へのヒントをお持ち帰りください。
- 照井 直哉氏(てるい なおや)
- 株式会社エイチ・ティー 代表取締役
- 事業会社で人事キャリアを積んだ後、外資コンサルティングファームで人事組織改革PJを多数手がける。その後人材系ベンチャーでコンサル事業担当役員として従事。VUCA時代の中、人と企業の働き方変革の必要性を感じ、その支援を目的としたHXTを設立し現在に至る。Prosci®認定チェンジプラクティショナー。
「日本の人事部」「HRカンファレンス」「HRアワード」は、すべて株式会社HRビジョンの登録商標です。
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