クアルトリクス合同会社 EXソリューションストラテジー ディレクター
市川 幹人氏
リモートワークで他者との接点が弱まる中、業務分担の偏りなどを通して仕事上のコミュニケーション機会の低下、孤立化する従業員の発生が懸念されています。特に、職場における孤立は、従業員のエンゲージメントやパフォーマンスとも関係すると考えられています。本講演では、従業員の声の収集・活用のトレンドを踏まえた上で、職場の一体感、従業員同士の連携の現状とそれを再強化するアプローチを考えます。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
従業員の勤務環境が急激に変化している中、企業として従業員のエンゲージメントを維持・強化し、一人ひとりの能力を最大限発揮できるような環境をいかに提供していくか、頭を悩ませている人事担当者の方々は少なくないのではないでしょうか。また、現在注目すべき人事関連の課題についてのご関心も高いと思います。
本講演では、コロナ禍における従業員の声に耳を傾ける取り組みの動向を確認しながら、エンゲージメントという概念の考え方を改めて整理し、注目すべき新たな人事関連のテーマを論じます。特に、リモートワークで捉えにくくなっている従業員間の業務分担の偏り、職場におけるコミュニケーションの減少や孤立化などに注目したいと思います。
人事や経営企画などで、従業員に関連する調査の活用や人事施策の立案・実行を担当されている方々に向け、今後の取り組みの参考情報となることを目指します。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
本講演でご注目いただきたいポイントは以下の3点です。
第一に、議論の前提として、従業員エンゲージメントとそれに影響を与え得る従業員エクスペリエンス(EX)の現状をご紹介することです。例えば、弊社の最近の調査では、エンゲージメントに影響を与える要因として、組織に対する帰属意識や心理的安全性など、メンタル面の要素が重要度を増していることがわかっています。人事を取り巻く注目テーマの変化を把握する上での参考としていただきたいと思います。
第二に、従業員向け調査の実施や活用に関わる変化についてご説明します。調査実施の頻度やテーマ設定について、新しい考え方が目立ってきています。従業員の声を収集・分析し、アクションに繋げるため、どのような調査の方法があるのかについて整理してまいります。
第三に本題として、職場においてじわじわと進行しつつある課題に着目したいと思います。単に概念でご説明するだけではなく、弊社が実施した働く人に対する調査結果に基づいて、業務分担の偏りや従業員間のコミュニケーションの低下などの現状をご紹介します。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
ビジネスを展開する上での不確実性が大幅に増している中で、従業員の声を無視した経営は今後成り立たなくなっていくと考えられます。しかし、従業員向けにアンケート調査を繰り返しているだけでは、何ら状況は変わりません。
今後戦略的に注目すべき人事テーマは何か、どのような体験を従業員に提供し、いかにして従業員の能力を引き出していくのか。人事や経営企画に従事する方々が、日常的に議論されているポイントについて、単なる噂や直感で状況を判断するのではなく、できるだけ具体的な実態を踏まえてお話ししたいと考えています。
皆様の日頃のモヤモヤ感を少しでも払拭できれば幸いです。どうぞお気軽にご参加ください。
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