［主催］日本の人事部「ＨＲカンファレンス」運営委員会 ［後援］厚生労働省

――　今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか？

大きな変化の波が次々と押し寄せるVUCAの時代。既存の枠にとらわれず変化し続けなければ、大企業や長い歴史をもつ企業ですら先の保証はない、我々はそんな時代に直面しています。

このような状況に対応していくために、多くの企業の人事部門でこれまでの「固定的な人事の仕組み」から、多様な人材を内包できる「柔軟な人事の仕組み」への転換に取り組まれているのではないでしょうか。

一方で、制度や仕組みをどんなに整備しても、それを使いこなす社員の変革なくしては絵にかいた餅になってしまいます。変化に戸惑うのではなく、変化を楽しみながら課題を乗り越え、そして自らのキャリアを切り開くVUCA人材がいてこそ、「柔軟な人事の仕組み」も初めて機能するのではないでしょうか。

本講演では、このVUCA人材育成に焦点を当て、その課題と対処法について、事例を交えながら考察・解説していきます。

――　今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。

当社は、人事コンサルティング・教育サービスを通じて、「人生100年時代の働き方変革」に取り組む組織・人の支援を行っています。支援に取り組む中で感じることは、仕組みづくりもさることながら、何よりその仕組みを組織へ浸透させていく事の難しさです。

「固定的な人事の仕組み」から「柔軟な人事の仕組み」への転換は、「会社は社員の生活を守り、社員は会社の戦略実現に身をささげる」といった相互拘束の関係から、「会社と社員が互いにありたい姿（会社：事業戦略、社員：キャリア戦略）を共有し、それぞれのありたい姿の実現に互いに 貢献し合える選択をする」といった相互信頼・相互選択の関係へのシフトでもあります。

我々は、さまざまなプロジェクトを経験する中で、新たな仕組みを組織に浸透させる為には、この関係性の変化を前向きに捉える社員を増やすこと、またそのためには会社主導のキャリア開発ではなく、社員それぞれが自身のありたい姿とその実現に 向けたキャリア戦略を常に明確にしておくことが重要であるという考えに至りました。

こういった課題認識のもと、当社では2019年より、「自律型キャリア開発プログラム：SIMBA（Self Innovation MBA）」を開発・推進してきました。本講演 では、この「SIMBA」の実施で見えてきたVUCA人材育成の課題、そしてその課題への対処法について、事例を交えながら皆様にシェアしていきたいと考えています。

――　講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

本講演のサブタイトルは「個人と組織の成長に向けた処方箋」とつけさせていただきました。

この言葉には、会社と社員それぞれが思い描く戦略・キャリアを共に実現していく「会社と社員の互恵的関係」こそが、VUCA時代においても持続的に発展していく企業の要件になるとの思いが込められています。

本講演が、社員が激しい変化の中でも「何をしたいか・何ができるか・何を求められているか」を自発的に考え行動できる個人へと成長させ、その成長が会社の発展につながる好循環を生みだすヒント（処方箋）になればと思います。

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