株式会社インヴィニオ 代表取締役/組織能力開発コンサルタント/日本CHRO協会主任研究委員
土井 哲氏
弊社はこれまで日立製作所、AGC、テルモなど20社の企業と共に、HRBPの存在目的、職務、求められる資質について検討を重ねてきました。HRBPの核心的な役割として掲げられたのは事業部門の戦略策定や実行体制の構築に貢献することですが、どのように関わるのが現実的で効果的か、バーチャルBPとして活動してきた自身の経験をお話しします。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
欧米企業には当たり前のようにあって、日本企業にはまだまだ定着していないのがHRBP制度です。
CHROのもとにあって、事業部門長のパートナーとなり、CoEとも連携しながら、事業の成功を人と組織の側面から支援する重要な存在として近年急速に注目を浴びるようになりました。
日本でも日立製作所やカゴメなど、HRBP制度(あるいはそれに類する独自の制度)を導入して成果をあげている企業も増えています。一方で、すでに導入した企業であっても、自分たちの活動が十分なものか、また何を目指すべきか、まだまだ試行錯誤中であるという話をうかがいます。
未導入の企業からは、どのように制度を立ち上げればよいのか、どのように社内での認知を高め、何から着手すればよいのか、どのような人を選任すればよいのか、などの質問をいただきます。
本講演では、HRBP制度の導入を計画中、あるいはすでに導入済みで、これらの疑問をお持ちの方向けに役立つ情報を提供します。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
インヴィニオは、戦略コンサルでもなく、人事コンサルでもなく、戦略と整合した(アラインした)実行体制の構築を支援する「アライメント・コンサルティング・サービス」に特化。HRBP育成のための独自のプログラムを持つ米国のアラインオルグ社と2019年に提携し、独自にHRBP育成サービスを展開してきました。
そのような中で、代表である土井が日本CHRO協会の主任研究委員を拝命し、日立製作所、AGC、テルモなど20社から名乗りをあげてくださった検討委員とともに「日本版HRBP検討会」を立ち上げ、座長としてHRBPのあり方について議論を進めてきました。
その結果、HRBPの存在目的、HRBPに求められるマインド、価値観、取り組み姿勢なども含めて17の項目についてHRBPの理想の姿、ベストプラクティスを定義することができました。
一連の議論を通じて得られた結論の一つは、事業戦略の策定や実行に何らかの形で貢献できない限り、BP(ビジネスパートナー)とは呼べないだろう、というものでしたが、どのような形で貢献するかについて検討委員の間でも考えはマチマチでした。
本講演では、実際にある企業で「バーチャルHRBP」として活動をしてきた経験を基に、提供価値の明確化からスタートし、組織能力と活動を可視化し、活動を促進する人事システムの再設計に至るまでの会議をファシリテーションしながら進めていく方法を紹介します。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
事業推進へのHRBPの貢献については期待が高まっていると感じますが、いざ戦略の策定や実行の支援をするとなるとHRBPをすでに立ち上げている企業であっても尻込みをしがちです。
確かに長く人事の仕事しかしてこなかった人にとって、そのハードルは高いかも知れません。しかし、戦略の策定そのものを行なったり、実行を代行したりするわけではありません。
ファシリテーションスキルを駆使して、事業部門長をはじめ、リーダーシップチームの考えを整理し、戦略実行には何が必要なのかを導くお手伝いをするだけです。議論を進めるフレームワークやファシリテーションスキルのトレーニングを提供しますので、一緒にチャレンジしませんか。
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