IGS株式会社CEO/慶應義塾大学特任教授/経産省「創造性を発揮する組織のあり方に関する研究会」委員
福原 正大氏
コロナ禍が加速させた世界の急激な転換の中、多くの企業がDXによる成果創出に至っていない原因の一つには、「DXへのバイアス」があります。DXは、組織に属する人が無意識に持つネガティブなバイアスに気づき、必要な意識変革に取り組むことから始まります。本講演では、DX推進を妨げるバイアスの可視化、またその対処という観点から、DXを推進する人材育成の鍵をお伝えします。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
本講演は、自社がDXをはじめとした組織変革を進める中で、何が推進を阻んでいるのか。人事部門が果たせる役割や貢献とは何かについて悩んでいる方を対象としています。また、実際に変革の推進を担っているものの、周囲の巻き込みに苦労している方にも、ヒントを得ていただけます。
コロナ禍の後押しもあり、ビジョンも示され、予算もついた。専門組織もつくり、人材も採用した。しかし、いざ実行となるとなぜうまくいかないのでしょうか。そこにはいわば、DXの罠と呼べるような落とし穴があります。
今回着目するのは、特にこれまで大きな成果を上げてきた大企業が陥りがちな罠である、人材が持つ「DXバイアス」です。DXバイアスとは、誰しもが持ちうる思考のクセ、意思決定の傾向です。自社の現状はどうなっているか、また、適切な状態へ変えていくにはどうすればよいのか、知りたい方にぜひお聞きいただきたいと思います。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
私は外資系大手金融機関に在職中、安定した基盤を持つ大企業が大きくビジネス転換し、DXでイノベーションを果たすという経験をしました。強い既存事業がありながら、AIを活用した新規事業を急速に拡大し、大半の利益をそこで稼ぐようになったのです。
DXで目指すべきは、そのような転換であると私は考えます。デジタル化、効率化、コスト削減の話では決してありません。しかしながら、日本で起業し、多くの企業の人材また組織開発を支援する中で、日本ではDXが誤解されている、誤解したまま、戦略を掲げ、実行しようとしているのではないかと危機感を感じています。
AI、ビッグデータ、プラットフォームといった言葉にばかり目が行きがちですが、変革を実行するのは人であり組織です。重要なのは、人間が持つバイアスを認識し、感情レベルから変革に向かわせることであり、多くの場合この視点が抜け落ちてしまっています。
なぜDXは人と組織の問題だといえるのか。日本の大きな課題は何か、どんなバイアスが変革を阻むのか。日本また世界の企業の事例と、最新動向を踏まえ、罠に落ちてしまわないために必須となるポイントをお伝えいたします。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
私たちは、人材採用にAI技術を最初期に持ち込んだことで、2017年にハーバードビジネススクールのケーススタディに取り上げられたHRテクノロジー企業です。蓄積してきた人材の能力データ、評価データを基に、データからどのように潜在人材を見出し、評価・育成していけるのかもご紹介いたします。
人材データを活用することで、自社のDX戦略を実現する人材の発掘、登用、育成に、これまでになかった根拠と説得力を加えることができます。人と組織の課題解決にテクノロジーを活用したい方にぜひご参加いただければ幸いです。
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