HR Design Lab. 代表/株式会社博報堂コンサルティング 執行役員
楠本 和矢氏
行動経済学の様々な理論について、HRの視点でわかりやすく分類します。そして、それら分類を基点として、どの様に各種施策に展開すべきかご案内します。顧客、そして従業員は論理性や合理性だけで判断して行動する訳ではありません。それらの実態を認識いただき、是非HRの領域でご活用いただけるヒントをご案内いたします。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
今、世間で話題となっている「行動経済学」。
行動経済学とは、「ホモ・エコノミクス」(もっぱら経済的合理性のみに基づいて個人主義的に行動する、とした人間像)を前提とせず、人間の心理的、感情的側面の現実に即した経済学を指します。
2017年にセイラー教授がノーベル経済学賞を受賞したことを機にブームが生まれ、政府や各企業にてそのエッセンスを活用するべく、さまざまな動きが生まれています。
そんな注目の行動経済学。特に期待されているものの一つが、「HR領域」への落とし込みです。効果的に人を動かすことがHR領域の仕事ならば、これを活用しない手はありません。
本講演では、「行動経済学には興味はあり、採り入れたいが、HR領域にどのように落とし込めばよいか手がかりがない」「従前の教科書的な方法論に行き詰まりを感じている」などの課題認識をお持ちの方に、ぜひご参加いただきたいと思います。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
「行動経済学を如何にビジネスの現場に落とすか」
これが、我々博報堂コンサルティング HR Design Lab.が掲げる注力テーマです。今までにも、それをテーマとした書籍や、さまざまなビジネスメディアにて記事を発信して参りました。人事部門の方からも、当該テーマでお問合せをいただくことも増えてきております。
本講演では、「何となくわかりやすそうであるが、検討の手掛かりが掴みにくい」行動経済学のさまざまな理論について、HRの視点でわかりやすく分類し、それを基点として、どのように各種施策に展開すべきか、そのイメージについてお伝えします。
(1)人は、同じ内容でも「角度」を変えると判断が変わる
(2)人は、限られた情報/典型的な情報で判断する
(3)人は、何かを「基準点」として判断する
(4)人は、得をよりも損をしないように判断する
上記の切り口に基づいて、現実的にHR施策に落とし込むための考え方についてお伝えします。
顧客も、そして「社員」も、論理性や合理性だけで判断して行動する訳ではありません。そのようなリアリティをぜひHRの領域にご活用下さい。本講演が、そのきっかけになればと思います。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
すべての取組みは、「人の気持ち」が基点です。
ついつい、社員の「正しい判断」「論理的な判断」に期待しがちなHR施策ではありますが、そのような視点だけで、真に実効性のある施策が展開できるかと言えば難しいでしょう。
本講演で、我々が現場で試行錯誤しながら培った知見を体系化した、人事部向けのプログラムも最後にご紹介をいたします。HR領域だけでない、「マーケティングの視点」を有している我々ならではのアプローチです。ぜひご期待くださいませ。
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