Original Point 代表取締役/東京経済大学キャリアデザイン研究所 客員研究員
高橋 政成氏
「リアリティギャップ」「育まれない主体性」「若手の離職」――。コロナ禍において、新人・若手育成の課題をどう解決すればよいでしょうか? 本講演では、配属が限定されない一括採用の日本風土にフィットするキャリア開発を模索してきた経験から得た知見をもとに、キャリア開発3.0を切り口に、入社後3年間において人事として何を仕掛けるべきか、調査や事例を交えてお伝えしていきます。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
キャリア開発を推進していくことが「わがままな社員を育てるのでは」「離職につながってしまうのでは」といった懸念を持つ人事の方も多いかと思っています。
これまでのキャリア開発は「過去を掘り下げ、未来を描く」といったマインドにアプローチをするイメージをお持ちかもしれませんが、我々としてはリアリティギャップを乗り越え、「自律」を育むスキルをセットして、新人時代から必要なものと捉えて推進してきました。
現行のアプローチにでは「主体性や自律を伸ばすには至っていない」「組織のコミットメント向上や不健全な離職防止につなげる施策を打ちたい」と考えている人事の方にご参加いただき、最新の調査や事例からひもとくアプローチをヒントにお持ち帰りいただければと考えております。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
Z世代を取り巻くSNSにおいて「キャリア」「自分らしさ」という言葉が一人歩きするようになり、「組織が個人の道具のように捉えられる」「お客さまスタンスで権利ばかりを主張する」といったマイナスの意識や行動を助長することにつながっているようにも感じます。
我々は、組織で前向きに働くスタンスを形成し、自律的な行動を後押しするために、「遠い未来を描かない、キャリア開発」を新人研修から実践してきました。
本講演では、これまでの研究・調査や実践事例から、いま日本企業の人事部が主導するべき新人時代からのキャリア開発とは何なのかを再定義し、具体的なHowまで落とし込んで解説していきます。育成体系や研修設計の参考になれば幸いです。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
Will-Can-Mustといったフレームワークは、ジョブ型の欧米から輸入された理論です。一括採用型の日本においてMust(求められること)は、配属前までわからない、配属後は組織主導で都度変化していくため、欧米から輸入されたこの理論が必ずしもフィットするとは限りません。
Original Pointでは、日本風土に合ったキャリア開発を提供するため、研究・調査や、中小~大手企業での研修や制度設計に携わる中で、リアリティギャップを乗り越え自律的に活躍する若手育成に取り組んできました。
コロナ禍で育成施策の価値が見直される中で「育成施策によって育むのか」という論点を深める機会になれば幸いです。
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