［主催］日本の人事部「ＨＲカンファレンス」運営委員会 ［後援］厚生労働省

――　今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか？

1on1が流行していますが、「流行しているから何となく1on1をやっている」「他社がやっているから自社でも1on1をやる」というような設計不足の1on1が現場を苦しめ、1on1自体が悪者になっているケースも散見されます。

1on1とは本来、離職防止や生産性向上、大切な社員の幸福度向上に大きな効果を発揮するものです。

「導入したが課題解決につながっていない」という人事責任者の方々や、「1on1が人事課題解決に効果的でない」と人事や現場から報告を受けている経営層の方々に本講演を聞いていただければ、目下発生している1on1の課題解決へのヒントになるだけではなく、1on1がどのように経営課題や人事・組織課題の解決につながるのかをご理解いただけると思います。

――　今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。

私たちは1on1を音声感情解析するHRテクノロジー「エアリーフィードバッククラウド」を提供する過程で、多くの1on1音声データを解析してきました。

「上司と部下の二人だけ」「秘匿性の高いテーマを扱う」ことが、上司の高圧的な態度や部下へ寄り添う姿勢の欠如、思い込みから部下が理解したと早合点することにつながっていくのと同時に、部下に気を遣いすぎて、本来指摘すべき事項を指摘できなくなっているケースを目の当たりにしました。

そして設計や定着推進の中で絶対に抑えるべきポイントがあること、1on1の状況を可視化し改善していくことが非常に難しいことがわかりました。一方で、ポイントを抑えてテクノロジーを活用すれば、離職防止や生産性向上、大切な社員の幸福度向上に効果を発揮することもわかっています。

本講演では三つの実例をご用意し、それぞれの課題をどのようなプロセスで改善し、その中でテクノロジーをどう活用したのかを具体的にご説明いたします。

事例1：改善ポイントがわからない上司を救う！部下を恐れない上司になる
事例2：心理的安全性を構築する「1on1の振り返り」を習慣化
事例3：社員にとっては会社＝職場、上司との1on1を解析することで離職リスクを察知

成功事例を通じて自社の1on1の改善点を見出し、現場にとっても経営にとってもプラスになる1on1実施につなげていただければ幸いです。

――　講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

ダイバーシティ＆インクリュージョン、ジョブ型への移行、働き方改革、コロナ禍など、経営者が人事や組織に関する課題に頭を悩ます頻度が確実に増えました。

これからの時代は、一人ひとりの「個」と向き合うマネジメントや教育・育成、評価が求められています。

1on1はこれらを具現化する絶好のチャンスであるにも関わらず、残念ながらうまくいかないケースが多いことも事実です。

そうした場合に「自社に合わない」「時期尚早」などと、表面的な結果を短絡的に判断せず、発生している課題に深く目を向け、あらためて必要なポイントを抑えることで、現場を幸せにする1on1に進化させていただきたいです。

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