株式会社Consulente HYAKUNEN CEO/ 株式会社Maxwell's HOIKORO CEO
前山 匡右氏
近年、組織において心理的安全性を確保することの大切さが謳われています。しかし、心理的安全性を高めるだけで、組織は良くなるのでしょうか。本講演では、学術研究やHYAKUNEN・HOIKOROが実施したデータ解析事例に基づいて、心理的安全性を成果や組織パフォーマンスの向上に繋げる為のKey Factor、そして、それらを生み出すリーダーシップについて解説します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
企業を取り巻く環境変化は激しく、VUCAの時代に生き残る組織には、イノベーションとそれを生み出すメンバー間のコラボレーションが不可欠です。変化に適応し、ときには自ら変化を生み出していくプロアクティブ(自発的・先取的)な働き方は、上司が指示し、メンバーがそれに従うという「指示・管理モデル」とは異なります。ヒトが自ら動く自発的な現象を生むために、心理的安全性が今、その重要性を広く認識されています。
一方で、マネジメントや人材育成、組織開発に携わるマネジャーや人事部門は、心理的安全性を備えた組織づくりに腐心しますが、本当に効果や成果がみられているでしょうか。心理的安全性は表面的な理解に留まると、うわべの組織開発や人材育成に終始するだけでなく、組織にとって弊害さえ生じさせます。本講演では、心理的安全性の正しい理解と、これをビジネス上の成果につなげるための具体的なポイントを解説します。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
企業が新しい価値を生み出すことは、長きにわたって最もクリティカルな経営課題となっています。その中で、企業・組織で働くメンバーが心理的安全性を感じられるような組織づくりは、重要なテーマとなります。人材マネジメントの世界で繰り返される流行テーマの一つとして消費するのではなく、この概念を深く理解し自社に取り入れることができるか。経営者やマネジャー、人事部門の力が試されるテーマだと言えるでしょう。
心理的安全性は、メンバーの自発的な働き方と親和性の強い概念であり、生き方や価値観の多様性をいかに経営に取り込むかという観点から、ダイバーシティや働き方改革など、経営全般に深く関わります。
それにもかかわらず、企業の変革や再生に携わる中で実感したのは、この概念を正しく理解している人が非常に少ないということです。
心理的安全性は、メンバーの自発的な行動とコラボレーション(共創)を生むために重要な概念ですが、ときに組織に弊害を生む負の側面も持ち合わせています。加えて、心理的安全性だけでは、新しい価値の創出はままならないことも明らかになっています。現実の世界で新たな価値を創出することは、想像以上に困難で熾烈なのです。
本講演では、心理的安全性を学術的に正しく理解すること、この概念をビジネス上の成果につなげるために不可欠な要素について、企業事例やデータ解析結果などをもとに、探求していきます。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
心理的安全性という重要な概念について、短い時間でしっかりと理解しておきたい方はもちろんのこと、人材育成や組織開発に携わる人事部門の方、具体的に組織を変え、ビジネス上の成果につな げたい経営者・マネジャーの方々にとって、実際の企業でのコンサルティング事例や、定量的なエビデンスに基づく話は、次のアクションを探る大きなきっかけになるものと思います。
企業変革を多数行ってきたコンサルタントやデータサイエンティスト、経営学者などが参画しているコンサルティングファームならではの、心理的安全性にまつわる具体的かつ多様な切り口の内容となっていますので、さまざまなかたちでご活用いただけると思います。
「日本の人事部」「HRカンファレンス」「HRアワード」は、すべて株式会社HRビジョンの登録商標です。
当社はプライバシーマーク取得事業者です。類似のサービスやイベントとの混同にご注意ください。