ラクラス株式会社 取締役会長
北原 佳郎氏
クラウド化の効用については、既に多くの論説がなされています。しかし、クラウド化しても社内に残る業務があること、そしてそれが効率化の限界を引き下げていることは、あまり議論されていません。本講演ではまず、クラウドの本質的な効用と限界を明確にします。その上で、限界を乗り越え、真の業務改革を推進するための3ステップを、実例を交えて紹介します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
人事業務の効率化にクラウドの利用を検討している企業、あるいはクラウドを利用しているけれど、自社の使い方は果たしてベストプラクティスなのかと悩んでいる企業に向けた講演です。
大企業の人事部やSSCで基幹となる人事給与システムは、いまだにオンプレミスのパッケージソフトをイントラネット内で利用するのが主流でしょう。本講演では、クラウドやAIを含めたテクノロジーは、処理対象となる社員数が膨大な「大企業の業務効率化にこそ有効」であることを示します。また、これらのテクノロジーが、どのような付加価値を新たに生み出すのかを、丁寧に解説します。
人事給与システムをオンプレミスからクラウドに置き換えた大企業の実例も紹介しますので、実感をもって聞いていただけると思います。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
本講演は、3部に分かれています。第1部では、クラウド化しても社内に残ってしまう業務があること、そしてそれが業務効率化を阻害していることを示します。クラウドの限界を知ることは、クラウドの効用を知ることと同程度に重要です。
第2部では、クラウド化しても社内に残ってしまう業務の代表例として、行政や社外から受け取った紙書類(税や社保の決定通知書、年調の控除証明書など)からデジタルデータを起こす業務を、画像認識AIやOCRといった技術で効率化する事例を紹介します。これまで人間の眼に頼っていたアナログ情報をデジタル情報に変換するという作業を、コンピュータに代行させることで、給与計算に必要な情報は、すべて発生源でデジタル化できることを示します。
第3部では、すべてデジタル化された情報を用いて、これまで給与計算の専門家が1ヵ月間かけて行ってきた一連の給与計算処理を、コンピュータで自動化するという実例を紹介します。
給与計算のスピードは、コンピュータの膨大な記憶能力と計算能力を活用することで、著しく高速化されました。しかし、給与計算の処理の手順そのものはソロバンを使っていた時代と変わっていません。本講演では、これまで例外処理と呼ばれてきた作業も含めて、「コンピュータが処理手順を記憶して自動実行する」という新しいパラダイムを、大企業への導入例を含めて紹介します。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
給与計算に関わる方々にお尋ねします。次のような疑念をもったことはありませんか?
・給与計算のために、なぜ毎月3週間が費やされるのか?
・年末調整のために、なぜ人事部員が総動員されるのか?
・給与ソフトの計算結果を、なぜエクセルで計算した理論値と突合してるのか?
・給与計算担当者がいう例外処理とは何なのか?
・労働人口が減少する中、コストセンター業務に今後ともリソースを割けるのか?
本講演では、私自身も長年悩んできたこれらの疑念に、明快に回答いたします。そして最後に、これら旧来の給与計算のパラダイムを覆す大企業向け人事クラウドサービス「Tokiwagi(常磐木)」を、導入事例も含めて紹介します。
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