SAVONIX シニアビジネスディベロップメントディレクター
河野 宇倫氏
50代の15人に1人が軽度認知障害を持っていると推計されています。重要な役割を担う40代~50代の社員が離職した場合、組織にとって大きな影響があることは想像に難くありません。働くうえで最も重要な“認知機能”を早期からケアすることの重要性を神経心理学の専門家が解説します。さらに、デジタル技術を応用し、社員の脳の健康と生活習慣を“見える化”するなど、先進的な対策を行う三谷産業の事例をご紹介します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
定年制度撤廃や再雇用制度の導入を実施済み、または検討されている企業の人事担当の方。特に社員ウェルネスやウェルビーイングの新しい手法、社員の健康をより”見える化”する方法を模索されている方向けの内容です。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
現在、定年制度を撤廃した国内企業は4,000社を超えています(厚生労働省集計)。定年制度の撤廃や再雇用の仕組みを導入することは、企業として一定の人財を長期に確保できるというメリットがある一方で、これまでとは異なる社員ウェ ルネスのあり方、特に”脳の健康”に直接的な対策をとる必要が出てきます。
従来の国内のEAPや福利厚生では取り上げられてこなかった”コグニティブヘルス”、特に軽度認知障害(MCI)の予防と対策も今後の健康経営を考える中では重要になります。これまでの研究によれば50歳代の方の約15人に1人が軽度認知障害を罹患しています。その多くは早期からの予防で認知症発症を回避することができます。企業が積極的に介入し、脳の健康指標を”見える化”することが、人生100年時代の個人と企業を守るものと考えます。
またデジタルヘルスを通じた新しいEAPの手法は社員の健康の向上だけでなく、迅速かつ効果的に社員エンゲージメントおよび社員モチベーションを向上する機会を提供します。
本講演では実際に人事部主導でモバイルアプリを用いた認知機能評価を導入し、社員ウェルビーイングだけでなく、社員エンゲージメントも向上されている三谷産業様の実践例をご紹介します。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
自社社員に対して”認知機能評価”を行うことは、メンタルヘルスなどと同様にとてもセンシティブな領域です。しかしながら企業が適切な介入を行い、評価結果を可視化、予防対策を打つことが短期にも長期にも大きなベネフィットをもたらします。企業コグニティブヘルスはまだまだ発展途上の領域ですが、本講演をきっかけに、日本の企業人事におけるスタンダードなものとして発展させることができたら幸いです。
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