株式会社ヒューマネージ 顧問/ビジネス・ブレークスルー大学 経営学部 専任教授
川上 真史氏
注目を集める「エンゲージメント」。これまでのエンゲージメント向上施策は“組織改善”にとどまっていました。本セッションでは“個人”のエンゲージメントを開発するカギとなる「ジョブ・クラフティング」について解説。また、通信販売からスポーツ・地域創生と幅広い事業を展開するジャパネットホールディングスがどのように個にアプローチし“挑戦し続ける組織づくり”を実践しているかに迫ります。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
“エンゲージメント”が世界的にも注目を集めています。社員のエンゲージメントが高い状態であると、企業業績や生産性の向上、ひいてはストレス状態の改善にもつながると考えられており、多くの企業がエンゲージメント向上に取り組み始めています。
これまでエンゲージメント向上の施策は”組織改善”に焦点が当てられていました。しかしながら、「給与水準をあげる」「福利厚生を充実させる」といった、組織単位でのエンゲージメント施策では、残念ながら限界があります。
そこで、エンゲージメント向上の新たなカギとなるのが「ジョブ・クラフティング」です。
本講演では、エンゲージメント向上において、人材開発のアプローチを可能にする=“個人”のエンゲージメントを向上させる「ジョブ・クラフティング」について解説。また、ジャパネットホールディングスが取り組まれている”挑戦し続ける組織づくり”を通じて、新しい時代の人材マネジメントを考えます。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
従来の方法では、社員のエンゲージメント状態が高いか低いか、また、その要因は何かを、組織ごとに問題点を抽出し、組織改善に取り組むことに注力されてきました。もちろん、社員のために働きやすい環境や制度を整備することは大切です。しかし、組織改善の施策だけでは「満足感」向上にとどまり、一人ひとりのエンゲージメントを持続的に向上させることにはつながりません。
個人のエンゲージメントを、人材開発を通じて高めることはできないのか――継続的な調査研究により、個人のエンゲージメントを高めるカギは「ジョブ・クラフティング」にあることがわかりました。
「ジョブ・クラフティング」とは、「個人の、『仕事』を手づくりする力」と定義できます。自分の手で仕事を面白くする力、とも言い換えられます。ジョブ・クラフティングは、その人の特性(わかりやすく言えば“癖”)であり、開発することが可能です。一人ひとりがジョブ・クラフティングの“癖”を身につけることで、エンゲージメントを高めることができます。
持続的に、エンゲージメントの高い組織をどうつくるか。本講演ではジャパネットホールディングスの”挑戦し続ける組織づくり”の事例もおうかがいしながら、これからの時代の人材マネジメントを考えます。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
近年日本でも浸透してきた「エンゲージメント」という言葉ですが、誤った認識で施策を導入すると、逆効果となってしまいます。本講演では、まず「エンゲージメント」について日本で注目されてきた背景とともにに解説、さらにエンゲージメント向上のカギでもある「ジョブ・クラフティング」について、ジャパネットの企業事例を交えてお伝えできればと思います。
これからの時代では、個人と組織がともにエンゲージメントを高めあう組織づくりが必要です。本講演が、日々、エンゲージメントの高い組織づくりに尽力されている人事の皆さまのご参考になれば幸いです。
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