株式会社HackCamp 取締役副社長/株式会社ラーニングプロセス 代表取締役
矢吹 博和氏
不確実性が高く正解がない昨今、自ら考え主体的に行動できる人材を育て、自律的な組織へと成長することが求められています。そのためには自らが“問い”を立てながら課題や目的を設定し、柔軟に行動していく必要があります。ではその際に必要な「自分ごと化」を促すためにはどうしたらよいのでしょうか。注目されている「探究力」に焦点を当て、ミニワークを交えつつ3つのポイントをお伝えします。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
下記のいずれかに当てはまる人事担当の方および経営者の皆さまに向けて、「探究力」を上げていくことのメリットや効果をご紹介していきます。
・自律的組織/ボトムアップ組織を実現したい
・VUCA時代に適応できる組織づくりや人材育成を目指したい
・答えのない未知なテーマへの対応力を上げる施策を実施したい
・「自分ごと化」「主体性」「エンゲージメント」をキーワードに人材開発や育成を手掛けたい
・現場で、本質的な仮説力・課題設定力や見立て力を向上させていきたい
・両利きの経営方法の模索・実践をしていきたい
・バックキャスティングアプローチを活用していきたい
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
これまで当社は「共創の民主化」をビジョンに掲げながら、企業・NPO・行政とセクターを問わず、現場で生かせる共創や新規事業のコンサルティング・人材育成を、あらゆる組織にて手がけてきました。
そこで直面したことが「未知な課題」への対応力が不足している組織やチームが多いことでした。例えば、新規事業開発、DX推進といった正解のないテーマに対して、 いきなり解決策を作ろうとします。一方、昨今のような不確実性の高い時代では、従来の問題解決の進め方では対応できないことが増えています。
数多くのワークショップを運営している弊社だからこそ言えることかもしれませんが、いきなり対話やワークショップを行ったり、ブレーンストーミングなどのアイデアを出したりしても、自分ごと化や、その後に続く行動変容につながることは多くありません。最初にすべきなのは、目の前の未知のテーマを深く理解し自分ごと化することです。そして、何を検討すべきなのか、何を判断基準に意志決定すべきかをすり合わせることなのです。
具体的には、私たちは何を知っていて、何を知らないのかを知ること。そして新たに知るべきことや、本当に検討すべき論点は何なのか。私たちは何を目指すべきなのか、を知ることです。自ら問いを立て、リサーチして分析することを「探究」と呼びます。まずやるべきは、未知な課題に対して「問い」づくりを通した未知な課題の探究・自分ごと化なのです。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
私たちは普段、目の前の課題に対して、何をすべきか、どう解決するべきか、といった議論をしがちです。決まった施策をどのように社員に実行させるか、というマネジメントの議論もよくあります。これらは全て会社や上司から与えられた「問い」に対する受動的な思考や行動でしかありません。社員一人ひとりが自ら好奇心がわくような「良質な問い(課題設定)」を設定したり、「新たな仮説」を設定したりできる「探究力」が求められているのです。
当日は「正しい問い」を作るエッセンスについてご紹介していきます。人材開発・育成から企業戦略立案・組織改革・新規事業開発まで、幅広い領域で活用が可能な方法ですので、ぜひご参加ください。
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