HR Design Lab.代表/株式会社博報堂コンサルティング 執行役員
楠本 和矢氏
「正論を言ってもパワハラと言われる……」「成果も維持しつつ、就業時間を縮減しなければ……」「停滞を突破するための、新しいアイデアも必要……」ミドルマネジャーは多くの課題を抱えています。そのような環境の中で、人や組織をロスなく動かし、その過程で人材を育てていくための「アサーティブなコミュニケーション」スキルが注目されています。本講演では、そのエッセンスを解説します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
正論を言ったら「パワハラ」になる。弱々しいと動かない。
昨今はまさに「ミドルマネジャー受難の時代」とも言えます。ミドルマネジャーに必要なスキルを具備しないと、組織に悲劇が起こります。
そもそも、職場で起こるトラブルの多くは「上司のコミュニケーション力」によるものといっても過言ではありません。それは本人の資質に起因するものだけではなく、単に正しく伝えるための「技法」を知らないだけという場合も多いのです。もしそれが理由で、優秀な社員の能力が引き出されなかったり、離職を招いていたりするならば、人事部にとっては看過できない状態でしょう。
「アサーティブコミュニケーション」とは、相手に納得感を持ってもらうことを目的としたコミュニケーションを指し、昨今あらためてクローズアップされています。ミドルマネジャーの「部下とのコミュニケーション力」に不安を感じる人事の方、育成担当の方にぜひ聞いて欲しい内容です。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
我々は、本講演のテーマである「アサーティブコミュニケーション」の意味合いを、現場での運用を考えて少し広義に捉えています。
そもそも、なぜ上司からの指示や依頼に納得感が無かったり、事後に「アウトプットの状態」にズレが生じたり、次への活力につながる「達成感」が感じられなかったりするのでしょうか? それには、いくつかの理由があります。
(1)仕事そのものについての「大前提」を確認していないこと
(2)上司の「指示内容の捉え方」にズレが生じていること
(3)与える業務についての「必然性や意義」を理解させていないこと
(4)指示を出す上長に対する「共感」が得られていないこと
(5)業務の「重要イシュー」を考えさせることができてないこと
(6)成果に対する「フィードバック」を疎かにしていること
これらを意識しないと、部下は納得感をもって指示や依頼を聞いてくれません。特に、働き方やその価値観自体が多様化している昨今では、仕事や働き方の「暗黙の前提」自体にバラつきが出てしまい、一つひとつの指示や依頼に対する「勝手な解釈」が起こりやすいと言われています。そんな時代に「適当に指示しても理解、納得してくれるだろう」と高をくくることにリスクがあるのは当然のことです。
今まで「正しい指示や依頼の方法」について学ぶ機会はあったのでしょうか。当たり前のように思えますが、実はほとんど無かったという方が大半でしょう。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
今回のテーマである「アサーティブコミュニケーション」というテーマは、正論だけでは突破できない、難しい時代を生きるミドルマネジャーにとって、必須スキルといっても過言ではありません。逆に言えば、これをミドルマネジャーがおろそかにしていい理由はありません。この講演では、我々が提供している「アサーティブ・リーダー研修」の中からそのエッセンスを皆さまにお届け致します。
単なる概念の詰め込みでは、再現性に欠けます。我々が現場で試行錯誤しながら培った知見を体系化したプログラムだからこそ、リアリティーがあります。それが我々の最大の独自性であり、強みと言えます。我々自慢のプログラムに、ぜひご期待ください。
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