Institution for a Global Society株式会社 代表取締役社長/慶應義塾大学経済学部特任教授/経済産業省クリエイティブ人材育成特別委員
福原 正大氏
急転直下導入された顔の見えない働き方、そして始まった顔の見えない人事評価。成果主義へのシフトも叫ばれる中で、私たちは人材の能力に着目した評価も重要になると考えています。外部環境が激変する中、本当に成果だけで評価して良いのか? 上司の評価バイアスを考慮しなくて良いのか? 4年間・累計55万人の評価データを、AIが分析して明らかになった評価の落とし穴と対策をお伝えします。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
本講演は、リモートワークへの移行や急速にデジタルトランスフォーメーション(DX)が進んだことで、成果主義へのシフトが叫ばれていますが、改めて冷静に自社の評価制度のあり方を考えてみたい方を対象としています。
リモートワークの増加やジョブ型シフトの影響で、人材評価はより「成果中心」になると考えられます。しかし、お互いの顔が見えにくい中、成果中心への転換に、漠然とした不安はないでしょうか。
DXの進展で、既存のビジネスモデルが簡単にDisrupt(破壊)される時代、目に見える成果だけを評価していて良いのかという問題もあります。そのような背景から、私たちは能力評価に再注目しています。
ただし、能力評価には、客観性をどう担保するのか、という課題があります。AIなどのテクノロジー活用は一つの解ではありますが、テクノロジーの有用性とともに、限界も知っておく必要があります。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
私たちは、人材採用にAI技術を非常に初期に持ち込んだことで、2017年にハーバードビジネススクールのケーススタディに取り上げられたHRテクノロジー企業です。
現在は、採用だけではなく、企業内の評価や能力開発の場面で、人材の能力を測定しており、55万人分の能力データを蓄積しています。今回の講演では、55万人のデータを分析して見えてきた、人材評価のリアルをお伝えするとともに、企業のAIを利用した解決事例をお伝えします。
例えば、評価の「甘い・辛い」問題は、実際にどのくらい存在しているのか。上司からの評価、部下からの評価、同僚からの評価では、誰が最もシビアな目線で評価を下しているのか。このような評価バイアスの実情を正しく認識し、AIを利用して、どう対応し、評価に対する社員の納得感を高めるかを考えていきます。
また、コロナ禍で、急速なDX化が進み、ビジネスモデルの変換が不可避となる中、どのように潜在人材を見出し、評価・育成していくのかも具体的に紹介いたします。データさえあれば何とかなる、ということは言い過ぎですが、データを活用することで自社のビジョンや戦略に沿った人材評価に、もう一歩、近づくことができるはずです。2020年の文脈で、”正しい人材評価”を考えるための情報をご提供します。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
私たちは「人を幸せにする評価と教育で、幸せを作る人を、つくる」をビジョンとし、AIテクノロジーを活用して、人材評価の在り方を模索してきました。
社会や経済環境が激変する今だからこそ、これまで蓄積したデータや事例を基に、これからの評価のあり方やテクノロジーにできること・できないことを、参加者の皆さまと一緒に考えたいと思います。
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