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第1回「結果がでれば、組織は元気になるのか」


このコラムでは、わたしが出会った素敵なマネジャーたちの物語をご紹介します。彼らのストーリーの中に、「働く」を「幸せ」に変えるための大切なヒントが詰まっていると思います。ぜひ、感じ取ってください。

*このコラムは実話をベースに作成しておりますが、社名や氏名、そして若干の設定を変更したストーリーとなっています。

 

 

第1回 「結果がでれば、組織は元気になるのか」

 

営業部長の野中は意気揚々と支社長との面談に望もうとしていた。

 

2年連続予算未達成に終った西東京支社おいて、起死回生を狙い若手の野中が大抜擢されたのが1年前。まだ30代だ。野中は期待に応え、上半期で予算を10%超えて達成すると、下半期の予算を上方修正し、見事西東京支社を窮地から救った。

 

「1年間本当に苦しかった。2年分のマイナスを取り戻したんだ。支社長からどんな賛辞を受けるのか。どんな褒め言葉を頂いても褒められすぎと言うことは無いだろう。」

 

野中はそんな事を思いながら支社長室の扉をノックした。扉を開けると野中は驚いた。支社長だけでなく、そこには人事部長が待ち構えていたからだ。「今日、時間をとってもらったのは・・・」と想定に反した重たい口調で面談が始まった。

 

人事部長から報告されたのは部門単位で行なわれる職場診断の結果だった。前代未聞の結果だったらしく本社でも問題になったようだ。自由記入欄には、「もう逃げ出したい」、「部内での足の引っ張り合いに耐えられない」、「グループ間の嫌がらせを何とかして欲しい」、「リーダークラスに嘘の報告を強要され耐えられない」。人事部長が何を話したかまったく記憶に無いが、そんな言葉が報告用紙に並んでいた。人事部長が事前にメンバーと面談もしていたらしく、大泣きした人もいたということだった。

 

「結果がでれば、組織は元気になる。」

 

そう信じて厳しく接してきたのは確かだ。結果がでないのにモチベーションが上がるなんて戯言だと野中は信じてきた。一人ひとりが少々追い込まれている、疲れていることを感じていなかったわけではない。リーダーは特に厳しく接してきたので少々嘘をついているのも許容していたつもりだ。ただ結果が出ればすべてが解決すると・・・。

 

後日、人事部からの紹介でコンサルタントと面談をする事になった。どんなおっさんが来るかと思ったら大して年代は変わらない風貌だった。この会社の、この部署で自分よりも結果が出せる人間はいない。そして結果でなければ意味が無い。色々指導されるんだろうがその事だけは伝えようと思い面談に望んだ。

 

面談ではコンサルタントが口火を切った。何か難しい理論でも押し付けられるのかと思っていが第一声は、

 

「野中さんは、尊敬する部長とかいらっしゃるんですか?」

 

とかなり素朴な質問をされた。

野中の脳裏には新人時代お世話になった木岡部長のことが思い浮かんだ。

 

「そりゃ、厳しかったですよ。毎日説教されて。」

「その時、どんな気持ちでしたか・・・」

「うーん。当時は色々ありましたけど、でも楽しかったですよ」

 

「厳しかったのに?」

 

「一体感があったというか。怒鳴られても、すぐに大笑いできるような・・・。」

「愛情と言うか、何というか・・・」

 

「愛情って具体的になんですか?」

 

「うーん。怒られるんですけど、こっちもスッキリするんです。」

「明日、何すればよいのかが分かるので」

「怒られるけど、前向きになれるってことでしょうか」

 

「野中さんの部下はどう?」「野中さんは何をすればいいと思う?」

「それとも何をやめるべきなの?」

 

「・・・・・・」

 

面談は約3時間。野中の中に残る木岡との経験を解きほぐすことに時間が使われた。

 

1年後-

再び野中は支社長と人事部長を前にしていた。滅多に笑顔を見せない人事部長が笑顔で話しだした。昨日、部下と面談し、昨年大泣きしたメンバーがまた大泣きしたと言うのだ。一瞬耳を疑ったが、面談中「ありがとうございます」と何度も言いながらうれし泣きをしたという話だった。部長があの日から別人のようになった。本当に仕事も、職場も楽しいといって感謝されたという内容だった。

 

野中は、「あの日」からガラッと自分を変えた。恥ずかしがってもしょうがない。自分の信じる事をやらないと。そんな気持ちだった。一番変えたのは営業会議だ。個別の営業課題はグループリーダーに任せ、自分が主催する会議は進捗会議から勉強会に変えた。訪問数を増やすには?提案件数を増やすには?成約率を増やすには?3つのテーマで実施し、好きなテーマに部下は参加していい。単なるお勉強ではなく、その場で実際にスケジュールを作ったり、提案書を作り上げたり、プレゼンのロープレをする動きのある勉強会だ。困った事を解決する会といった雰囲気で、時にはビール、おつまみ付きで大騒ぎで実施した。

 

メンバーが前向きになること、方向を見失わないこと、だけを考え話し続けた。個と個が協力すること。グループ間で支援すること。お互い切磋琢磨して成長すること。この3つを毎日のように1年間言い続けた。

 

野中は面談が終ると相談にのってくれたあのコンサルタントにメールをした。

 

去年までは数字と仕事しか見ていませんでした。

今は毎日、笑顔に囲まれて、こんなに仕事が楽しくなるとは思いませんでした。 野中
  • モチベーション・組織活性化
  • マネジメント
  • コーチング・ファシリテーション
  • チームビルディング
  • コミュニケーション

アサヒビール株式会社、同社関連会社でのコンサルティング部門で活躍後独立。ジェイフィール設立より参画。

リフレクションラウンドテーブルのカリキュラム開発、展開や診断ツールの開発などを担当。多摩大学大学院博士課程前期修了、同大学・知識リーダーシップ総合研究客員主任研究員。雑誌掲載、寄稿、学会発表など多数。

片岡 裕司(カタオカ ユウジ) 株式会社ジェイフィール コンサルタント

片岡 裕司
対応エリア 全国
所在地 渋谷区

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