講演者インタビュー
成長戦略から考えるダイバーシティとは? ―女性活躍推進室を作って終わりじゃない―
プロビティコンサルティング株式会社 代表取締役/公認会計士
野田 弘子氏
ダイバーシティは本来企業の成長戦略ですが、多くの企業では女性のキャリア開発などの各論の取組みになっていないでしょうか? ダイバーシティは考え方や働き方が違う人材が企業目標に向かって共に歩むことであり、それ自体が大変なプロセスです。だからこそ、全員がその必要性を理解し実践することが不可欠です。本講演ではワークや事例を交えながら、全社員に浸透すべき内容をお話しします。(協賛/株式会社アクシア)
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
現在、多くの企業が女性活躍推進に取り組んでいます。しかし、女性の優遇策や育休制度、時短制度の拡充、女性のキャリア開発の研修やロールモデル紹介といった各論にとどまり、なぜ女性活躍推進が必要なのかという本質からは遠ざかって、形だけになっている企業が増えているようです。しかし女性活躍推進は、企業の成長戦略のひとつであり、大変重要な「ダイバーシティ&インクルージョン(以下、D&I)」の一部なのです。
そもそも企業は、投資家からの資本調達なくして成り立ちません。投資家は企業の成長を求めています。環境変化の激しい今、同質のメンバーの集団で、継続的な成長、ましてや革新(イノベーション)を起こすことができるでしょうか? だからこそ、さまざまな考え方をする人を日々のビジネスの意思決定に取り込んでいくことが必要であり、それがD&Iの本質なのです。つまりD&Iはプロセスであり、永遠に終わりのないものです。従って、企業の成長戦略としてのD&Iは女性活躍推進室(あるいはダイバーシティ推進室)だけが取り組む問題ではなく、社内の全員がその重要性を理解し、乗り越えていくという覚悟がなければ、中途半端で終わってしまいます。
本講演では、「そもそも会社とは何か」「資本市場とは何か」「成長とは何か」をどのように社内に伝え、共通理解を得ていくのかを主眼に、お話ししたいと考えています。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
私は過去20年間、複数の外資系企業の東京支店経理部で社内会計士として勤務し、その後10年間、“会計は社内の共通言語である”との信念から、内部統制構築支援や会計研修を実施してきました。さらに会計を軸にして、“会社とは何か“をとことん考えていただくことで、戦略の落とし込みや実務に活かす領域に研修範囲を広げてきました。その中で今回の講演テーマである、D&Iに行き着いたのです。
自らのグローバルな環境での勤務経験も踏まえ、一般論ではなく、地に足がついた実務論としてD&Iの本質をお伝えいたします。また、年間数十回の研修では一方的に話すのではなく、常に“双方向性”を大切にしています。おかげさまで女性を対象とした、さまざまなオープン研修でも常に高い評価をいただいてきました。また、数多くの企業や団体での研修を通じた、多くの方々とのふれあいから会得した実感も、大切にしながらお話しいたします。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
今回の講演では、ノウハウ的なことはお伝えいたしません。D&Iは企業の存続にかかわる問題であり、だからこそ世界のトップ企業では既に議論の余地のない、当然のことになっているのです。講演では「そもそも企業とは何なのか、企業が成長するとは何なのか、何に立ち向かっていかなければいけないのか」という本質からお話しいたします。D&Iは社内の全員が取り組まなければならない課題であり、どのように浸透させればいいのか、実例やワークも取り入れながらお伝えしたいと思っています。多くの企業で高い評価を得ている“楽しく本質に迫る”研修を、ぜひ体験してください!
- 野田 弘子氏(のだ ひろこ)
- プロビティコンサルティング株式会社 代表取締役/公認会計士
- 約20年にわたり複数の外資系金融機関で経理部長を歴任。広く財務経理業務に携わる。2006年に独立し、会計コンサルタントの他、研修講師として経理部門の活性化、ダイバーシティ領域で幅広く企業研修、公開セミナー等を実施している。亜細亜大学大学院 非常勤講師。東京大学法学部卒。
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