講演者インタビュー
ストレスチェックによる社員・組織ケア~ソフトバンクグループにおける活用事例紹介~
SBアットワーク株式会社 ライフサポート事業部長
増田 裕之氏
ストレスチェック制度が2015年12月に施行。対象となる事業場では、毎年定期的な実施が義務付けられました。また、職場単位の集団的分析も努力義務化されています。ソフトバンクグループでは、約9年前からストレスチェックを活かした個人ケアと組織ケアを実践してきました。今回はその活用事例をご紹介いたします。貴社において、制度導入や運用改善を検討される際のヒントになれば幸いです。
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
今回義務化されたストレスチェック制度は、衛生委員会での調査審議などを前提に、方針策定や具体的な運用が実施事業者に大きく委ねられているのが特徴です。自由度が高い反面、各プロセスにおいて難易度が高いポイントが存在するのも事実です。法律で義務化された以上は要件に従いスタートする必要がありますが、せっかく実施するなら良い施策、価値ある施策にしたいものです。
ソフトバンクグループでは、ストレスチェックとその後の改善アクションを約9年前に開始し、改善を重ねて今に至っています。開始当初は懐疑的な声もありましたが、実際に一次予防(メンタルヘルス不調の未然防止)や職場環境改善につながる施策が機能するようになり、メンタルヘルスケアの主要イベントとして認知されてきました。
本講演では、ソフトバンクグループがストレスチェックを始めた経緯、現在の運用フロー、留意点など、今後本格的に制度導入に取り組まれる皆さまにとって参考となる情報をご紹介いたします。また、産業カウンセラー等心理職の活用や組織診断(集団分析)結果をもとにした改善アクションの立案・推進など、独自の取り組みについてもお伝えする予定です。
講演の最後に、利用者の声を参考に東京大学(川上憲人教授)との共同研究により開発し、既に多数の企業に導入いただいているストレスチェックシステム「Wellness Eye」と、その周辺サービスもご紹介します。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
弊社はソフトバンクグループの企業を始めとする取引企業に対して、労働安全衛生を含む人事労務全般のサービスをご提供しています。ハイレベルな品質が求められる業務なので、その維持向上のため、基本的に全てのオペレーションプロセスをフロー化・マニュアル化していることや、社会保険労務士、産業医、保健師、産業カウンセラーなどの専門スタッフが常駐し、その知見をサービスに活かしているのも特徴です。ストレスチェックに関する一連の業務も、それらの積み重ねによって利便性や信頼性を向上させてきました。
また、人事コンサルティング業務も受託しており、ストレスチェック制度の全体設計や、努力義務となっている集団分析をもとにした改善アクションの立案・推進なども、ご支援が可能です。
このように、人事領域全般の知識と経験を有し「企画・立案」「仕組化・運営・推進」「分析・課題化」までトータルでご支援できるのが弊社の強みです。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
始まったばかりのストレスチェック、ご不安な点もおありかと思います。まずはマニュアルなどにより制度の全体像を理解されることが必要ですが、他社の先行事例などを参考に検討を進めるのも、効率的により良い制度を構築するために有効な方法です。
ストレスチェックは、うまく活用できれば各種課題改善のための素晴らしい制度になります。一方で、対象労働者から不信感を抱かれるような仕組みや運用になると、生きたものにはなりません。1回目を開始する時点から、安心・信頼できる仕組みだと理解してもらえるようにすることが重要です。本講演ではそれらを実現する上でのヒントを、具体的事例をもとにお伝えできるよう、進めてまいります。
- 増田 裕之氏(ますだ ひろゆき)
- SBアットワーク株式会社 ライフサポート事業部長
- 専門商社人事部門を経て、2001年ジェイフォン東海株式会社(現ソフトバンク株式会社)入社。人事制度企画、人材開発、労働安全衛生等の業務に従事。2012年SBアットワーク株式会社ウェルネスセンター長に就任し、現在は同社ライフサポート事業部長として職場環境活性化やメンタルヘルス向上施策の推進に取り組む。
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