――　今回の講演のポイントについて、お聞かせください。

300年企業である日本一の百貨店グループとしての使命は何か？　明るい未来を創造するために我々が次世代に伝承していくものは何か？　それらを問い続けながら、グループ内、そしてグループ外の企業とともに向き合ってきた「人・組織・企業文化」に対する課題解決の事例を共有いたします。

「新たな顧客価値を生み出し続ける組織文化の創り方」と銘打って講演いたしますが、この数年、さまざまなお客さま、そしてその接点を支えるグループ内外の従業員の皆さまと向き合ってつくづく考えることは、「目に見えない価値」の重要性が急激に高まってきているということ。我々は来たる超成熟社会に向けて、企業が成長し続けていくために最も重要なことは、未来を見据えた価値創造型の企業文化を育み、それを伝承していくことだと考えています。周知の通り、顧客価値・従業員価値だけをとってみても、多様化が進んでいるのが現実。だからこそ、企業・組織として持続的成長を目指すならば、その多様性を束ねる何かが必要です。その一手段として、企業理念の共有・理解・共感の場づくりがあります。

本講演では、現場主導の「理念共感」「理念実践」のために、自分たちの仕事の意味や社会・顧客に与える価値と真剣に向き合う場をどのようにして作っていけばよいのか、三越伊勢丹のしくみや他企業との取り組みなど、具体的な事例をご紹介いたします。

――　貴社の強みや特徴について、お聞かせください。

三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズは、お客さまのあらゆる事業領域において「付加価値・違いを生み出す」ためのソリューションサービスを提供しています。三越伊勢丹グループで培ったナレッジや、グループ外の多種にわたる業種・業態の法人のお客さまに対し、人・組織・ブランドを切り口にさまざまなソリューションを提供してきた実績を基に、お客さまの組織・人材などに係る課題の解決をご支援さしています。

人も組織も成長し続けるためには、個人に対して成長を促す施策だけでなく、組織そのものが協働する土壌を有し、ビジョンや事業の目的の実現にむけて「自創」する業態を作り上げることが不可欠です。弊社では教育研修のみならず、コンサルタントが組織開発の観点から、場の創造やファシリテーションを通じた組織開発ご支援の施策もご提供することが可能です。

――　講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

私たちの強みは、「伝統ある顧客接点の現場を持っている」というこの一点です。「MANABIで、未来を共に創る」をスローガンに人財教育の場に携わって参りました。会社が目指している方向と働く現場のメンバーが同じ方向を向いていることが、個人の仕事に対するやりがいや成長へとつながり、全員経営の企業文化を創っていきます。次世代につなぐための伝統に革新を加えながら伝承するために、三越伊勢丹グループが何をしているのかをお伝えすることで、皆さまの会社の持続的成長、そしてそれを支える人財・組織・企業文化に対してとるべき戦略・戦術を考える一助となれば幸甚です。