講演者インタビュー
リーダーシップが発揮される育成風土の創り方――脱・コントロールが自律組織を生む――
株式会社シェイク 代表取締役社長
吉田 実氏
多くの日本企業でダイバーシティやグローバル化が加速する中、人材育成のあり方も大きく変化してきています。多様な価値観や能力を持つ人材を活かし、リーダーシップを引き出していくためには、どんな制度や風土を創っていけばよいのでしょうか?今、必要とされる人材マネジメントの考え方と、リーダーシップが発揮される“育成風土”の創り方や事例についてお伝えいたします。
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
・若手の主体性が発揮される組織をつくりたい
・現場からイノベーションが起きる組織にしたい
・高い成果のために、自由に意見が交わされる風土をつくりたい
多くの企業で聞かれる要望です。若手から意見がどんどん発信され、創造性や主体性が発揮される組織をつくりたいにもかかわらず、実際には実現できていない組織が多いのが実態ではないでしょうか?
自律組織をつくるために社員に裁量を持たせても、社員がサボってしまっては、組織のパフォーマンス向上につながらないのは明らかです。業績を上げたり、コンプライアンスを強化したりするためには、自律が大事だと分かっていながらも、管理を強化せざるを得ないというジレンマに陥っている企業が多いように思います。
多様な価値観や能力を持つ人材を活かし、リーダーシップを発揮する人材を育てていくには、“脱・コントロール”の自律組織作りと業績向上につなげていく仕組みづくりの両輪が必要です。
本セミナーでは、下記の観点から、これからの組織づくりを考えていきます。
・リーダーシップが発揮される育成風土づくりのポイント
・自律組織を構築するための人事制度や育成のポイント
・今アメリカを中心に行われているパフォーマンスマネジメント変更の事例紹介
本講演を、今後の人事制度設計や育成施策につなげていただきたいと思います。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
シェイクは、入社して数年経った若手社員の元気がなくなっていく状態に問題意識を持ち、事業を開始しました。「言われたことをこなす」ことを繰り返していると、自分の意志で未来を切り開く力や、組織を変革する力が衰えていきます。「型にはめる」人材育成ではなく、一人ひとりが、「時代を切り開くリーダー」として、活躍するための人材育成に転換してくことを目指しています。
研修を実施するだけでは、組織は変わりません。組織を変えていくためには、社員に対する育成だけではなく、職場での上司の育成を変えることや、組織文化づくり、制度との連動なども考慮する必要があります。
現在、シェイクでは、一部上場企業のお客様が50社以上あり、年間約3万人の社員とお会いしていますが、組織課題や人材育成施策は、各社によって全て違います。シェイクは、一社一社の課題に向き合いながら、理想の組織作りに向き合う事を信条としています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
海外の人材育成の実態を知ると、日本の人材育成が遅れていることが分かります。一方で、日本企業が世界に誇れる強みを持っていることも感じます。例えば、組織ロイヤリティ、理念に対する意識、全体最適を考える意識、仲間を思う気持ち、人と人とのつながりなどです。このような強みがあっても、暗黙知を形式知化できていなかったり、強みを自覚できていなかったりするのが現状です。私たちは、このような強みを磨き、理想の組織を作り、世界に広げていくことができると信じています。会社の枠を超え、日本全体で力を合わせながら、理想の組織や人材育成に取り組んでいきましょう。
- 吉田 実氏(よしだ みのる)
- 株式会社シェイク 代表取締役社長
- 大阪大学基礎工学部卒。住友商事株式会社に入社。通信機器の営業、新規事業立ち上げに携る。2003年シェイク入社。人材育成事業の立上げ拡大に従事。2009年9月より代表取締役社長に就任。2011年に書籍『新・ぶら下がり社員』症候群を出版。ファシリテーターとして育成に携わった人数は12,000人を超える。
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