講演者インタビュー
全社的なワークライフバランス/生産性向上活動を形骸化させず大きな成果を出すには?
株式会社プロスタンダード 代表取締役社長
若林 雅樹氏
ワークライフバランス/生産性向上活動が形骸化する主な理由は、①経営層がそもそも本気でない、②社員が早く仕事を終えて帰れるサポートを会社(人事)が行っていない、③残業削減がそのまま給与ダウンにつながる、という理由に大別できます(複合していることも)。今回はすぐに着手可能な②を中心に、他社事例も交えながらご紹介いたします。
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
全社的なワークライフバランス、生産性向上活動が形骸化し、思うような成果が得られていない――。人事担当者の方から、よくこのようなご相談を受けます。前回の「HRカンファレンス2015-秋-」の私の講演では、92%もの企業が社員に早く帰れと要請しながら、実際に早く帰れるサポートを会社として行っていないことが明らかになりました。
企業・人事は社会の流れや要請によって、ワークライフバランス、生産性向上の取り組みを行わざるを得なくなり、ノー残業デーや有給取得奨励などの施策を導入します。一方、現場の社員は「早く帰れ、有給を取得しろと言うのなら、会社側でそのためのサポートをしてくれないのか」などと、心の中で不満を溜めています。実際に早く帰れて、有給を取得できるようにサポートをしなければ、会社が定めた施策を守れる社員と守れない社員とで大きなばらつきが生じ、結局、それらの施策はなし崩しになってしまいます。活動の火も徐々に小さくなり、現場の社員のやる気もなくなります。
具体的なサポートの手段にはさまざまなことが考えられますが、おすすめは現場の社員が今よりも楽に、早く仕事を進められるようになる教育研修を行うことです。個人の仕事の進め方には、大きな改善の余地があるからです。今回の講演では、どのような教育研修が現場に喜ばれるのか、また、どのように会社の本気度を伝えながら成果をあげていくのかをご紹介いたします。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
弊社は「世の中のムダな残業を無くし、世界で活躍できる人財を育成する」というミッションのもと、サービスを提供しています。大手鉄道会社や大手人材紹介会社をはじめとして、全社的な生産性向上の研修を取り入れていただく機会が増えているなか、現場の社員の方々から「生産性が上がった」と喜びの声をいただくことも多くあります。具体的な強みは下記の3点です。
(1)2000名超の生産性向上を実現してきた実績のある、すぐに使える研修プログラム
(2)研修後の講師との1対1フォローによる受講者の“我流”解消
(3)研修内容の習慣化までの体系的なフォロー
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
全社的なワークライフバランス、生産性向上活動は一朝一夕には成し得ません。また、成果をあげるまでに、さまざまなハードルが待ち構えています。ポイントを押さえずに取り組むことは、失敗の確率を高めることにつながります。失敗しても再度チャレンジすれば良いという考え方もできますが、失敗を重ねるほど現場は「またか……」という反応を示すようになり、活動の難易度は上がっていきます。
真剣にワークライフバランス向上、生産性向上を検討している企業、既に取組みを行なっているものの思うような成果が上がっていない企業の方に、ぜひご参加いただきたいと考えています。
- 若林 雅樹氏(わかばやし まさき)
- 株式会社プロスタンダード 代表取締役社長
- インテリジェンスに入社し、一貫して人事を経験。1,000名が受講した生産性向上研修を企画、講師を実施。また、全社5,000人の残業削減活動を任され、残業を半分近くに削減。現在はWLB活動を浸透させるスキルアップ研修・残業削減コンサルティングを提供中。著書に『メールはすぐに返信するな。』(中経社)
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