講演者インタビュー
事例から読み解く克つ企業・人材の条件
~組織を育て成果を上げる教育研修の在り方~
株式会社新規開拓 代表取締役社長
朝倉 千恵子氏
人は変化や圧力、逆境、苦難や試練に耐え、これらを乗り越え、克服できてこそ強くなれる。強い組織とは正にそのような「人材」の集合体ではないでしょうか。本講演では、数千人の経営者と会い、実態調査をしてきた体験と、自らの経営者としての気構えを基に、「克ち続けている組織・人」のコミュニケーション術を積水ハウスの事例を読み解きながら、具体的にお伝えします。
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
経営といい、商売といっても、これは結局、人間が行うものであるからには、経営や商売は人間をぬきにしては考えられない――これは、経営の神様と言われる、松下電器(現パナソニック)創業者の松下幸之助さんの言葉です。個人、そして企業の悩みの80%は対人関係。つまり、お客様、上司、部下や同僚とコミュニケーションをうまくとれない、ということです。その理由はいろいろと考えられますが、若年層の場合、はソーシャルメディアに極度に依存し、人と面と向かって話す機会が少なくなっていることが、コミュニケーション力低下の要因の一つになっています。
なぜあの人は人から好かれ、なぜあの人は疎んぜられるのか……。売っている商品は同じでも、売れる営業パーソンと売れない営業パーソンがいます。同じ意見を言っても、通る人と通らない人がいます。何が違うのでしょうか。本講演では「礼儀」をベースに、コミュニケーション能力を「関わる力」「聞く力」「伝える力」に分け、相乗的に引き上げるコツをお話しします。いくつか例を挙げると、「できません」を使わずに交渉する方法、信頼が深まる「NO」の使い方、会話の主導権の握り方、主張するときには「!」ではなく「?」、上司に嫌われる「あご上げトーク」、「敬い目線」と「見下し目線」の違いなど。ロールプレイを通して、具体的にお伝えします。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
「知っていること」と「できること」は違うと考え、「知っていること」を「できるようにする」ために、行動によってのみ熟成される「態度能力」の強化を図っています。
当社が考える「厳しさ」の条件1.私心がないこと、2.見逃さないこと、3.具体的であること、4.率直であること、5.本質をつくことをもって、「できるレベル」まで引き上げていきます。「態度能力」とは、知的能力、技能・技術的能力以外の人間性に結びついた能力、意欲を持って物事に取り組んで、対人関係を円滑に処理していく力のこと。具体的には、人間関係力として、第一印象力・礼儀・礼節力、コミュニケーション力、マネジメント力・営業力、部下育成力(ほめる・注意する)、リーダーシップ力などです。行動を引き起こさせる力としては、「やる気」「協調性」「積極性」「責任感」「自主性」などが挙げられます。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
親の言うことは聞かないが、なぜか隣の人の言うことは聞く。もしくは、直属の上司の話には反発するが、他部門の上司の意見や指摘は素直に聞くというケースに、心当たりはありませんか? 叱る必要があるけれど、近年は「職場内の雰囲気を悪いものにしたくない」「そもそも注意・指摘ができない」「管理職のリスクを減らしたい」「上司の代わりに外部の研修講師から叱って欲しい」といった理由から、「叱る行為」自体を外注化する会社も出てきています。本講演で、ぜひ、外部の力、隣の人の意見による効果を体験してみて下さい。
- 朝倉 千恵子氏(あさくら ちえこ)
- 株式会社新規開拓 代表取締役社長
- 全国各地にて業界問わず、大手企業を筆頭に研修・講演活動を展開。また働く女性の応援団長として自社で主宰する「トップセールスレディ育成塾」は2,000名超の卒業生。35冊超の著作の他に、メディアには、SBCラジオ、ニッポン放送で「朝倉千恵子の向き不向きより前向き」を放送中。
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