講演者インタビュー
需要創造を実現するアフターサービス部門への改革
株式会社ジェック インストラクター
近藤 美由紀氏
需要創造なしでは企業の発展が難しい今、購入後の顧客接点が多いアフターサービス部門への期待は益々高まっています。期待に応えるには一人ひとりの能力向上は欠かせません。しかし、個人の力を活かしきるには組織としての部門変革が必要です。今回は「部門ぐるみ」での変革を、効果・効率的に推進するための部門コンセプトの重要性についてご紹介します。
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
アフターサービス部門は、従来の「修理やメンテナンス専門部門」という機械対応を中心とした役割から、お客様との関係強化を望まれる部門に役割を変えてきています。例えば、提案活動を期待されることも多くなってきました。
需要創造が必要になってきている現在、利用者の近くにいるアフターサービス部門への期待が企業内で高まっています。その期待に応えようとした場合、個人の能力アップは欠かせません。専門技術の向上はもちろんですが、コミュニケーションなどの能力アップのため、多くの企業がトレーニングや研修を行っています。また、CSアンケートの実施やエンジニアが活用するパンフレットの作成など、今までにない活動に力を入れています。
ところが、これらを行っていこうとしても、一部のメンバーしか実施しない、新しい活動によりCSアンケート結果が悪化したなど、期待するような結果にならないことが多々あるのも事実です。では、需要創造につながる活動をうまく実現できている部門と、苦労してしまう部門の違いはどこにあるのでしょうか。
そのキーとなるのが、「部門コンセプト」の存在とその浸透度合いです。期待されるアフターサービス部門の姿を現している部門コンセプトをメンバーがどのように捉えているかで、行動に大きな差が出てきます。
企業が期待する方向でメンバーが市場で活躍するために、部門コンセプト浸透の影響についてご紹介します。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
ジェックはエンジニアに特化した研修で35年の実績があります。エンジニアの特性をつかんでいるだけではなく、多くの経験から、アフターサービスの現場に研修成果を定着させるノウハウの蓄積には自信があります。
その実績の中で、研修で身に付けたスキルを実践につなげるために「部門コンセプト」の重要性を感じ、整理してきました。研修での個人のスキルアップだけではなく、実践できる組織への変革のノウハウも蓄積しています。
ジェックでは、組織が持つ風土(集団性格)への打ち手に取り組んでいます。組織には所属する大半が同意する「当り前ライン」があります。この当り前ラインを引き上げたり、新しい内容に切り替えていくことが、組織の変革につながります。ジェックでは、アフターサービス部門に限らず、組織の変革の実績があります。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
「研修をやっても、職場に戻ると元に戻ってしまう」というご意見を伺うことがあります。研修をやる立場としては、より定着できる研修内容に変えていく努力が必要と感じますが、残念ながら、研修内容だけでは対応できない部分があることも事実です。
エンジニアの能力要件の構築、顧客接点を支援する組織体制や仕組みの再構築、社内コンテスト制度の構築。さらには新しい商品やサービスの開発につながる情報の流れの整備など、研修以外の対応も必要です。会社の方向性を実現するために、「部門コンセプト」の観点から、研修と合わせて何を行っていけばいいのか、新たな視点での活動計画を立てる参考になる情報をご提供したいと考えています。
- 近藤 美由紀氏(こんどう みゆき)
- 株式会社ジェック インストラクター
- 大手家電メーカーの社内SE、ゲーム会社にてネットワークゲーム開発、IT系ベンチャー企業でのお客様担当責任者などの経験を経て、2005年にジェックに入社。自動車、建設、IT業界をはじめとして、エンジニア職を中心にお役立ちを展開している。ジェックにおいてはサービスエンジニア診断の開発を担当した。
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