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特別講演[A]

組織活性化の新アプローチ
~生産性とパフォーマンス向上のための活力マネジメント~

中原 淳氏
株式会社ザマー 代表取締役
平井 公守氏(ひらい きみもり)
プロフィール:大阪大学工学部卒。第一勧業銀行(現みずほ銀行)、ブーズアレンアンドハミルトンなどを経て、株式会社ザマー設立。現場視点での組織開発、人材育成に取り組む。現在、パフォーマンス向上に向けた本質的取組となる、活力マネジメントの啓蒙・普及に注力。

活力マネジメントが個人・組織の生産性とパフォーマンスを向上させる

平井 公守氏 photo 今日は、活力マネジメントについてお話しします。
皆さんの会社の社員の活力状態はいかがでしょうか?例えば、中間管理職。次から次に押し寄せてくるタスクの中、肉体面では睡眠不足や体力の減衰に直面。感情的には、イライラしていることが多く、集中力を保つことも難しくなっているなど、疲弊されている方が多いのではないでしょうか。
特に、厳しいビジネス環境の中で、従来以上に疲弊している社員が増えてきているように感じます。優れた能力やスキルの持ち主の場合は、なおさらです。

パフォーマンス発揮の4要素と、『意義・目的意識』の揺らぎ

パフォーマンス発揮の4要素人がパフォーマンスを発揮するための源には、『肉体』『感情』『知性』『意義・目的意識』の四つの要素があります。実力をフルに発揮するためには、これらをうまく管理していくことが必須です。

肉体がパワーで満ちていて、感情が前向きで、頭は集中し、精神的にも意義のある目標を見据えて仕事をしていると、パフォーマンスが高くなることは簡単にイメージできると思います。
しかし、実際には、忙しい中、睡眠不足だったり、プレッシャーがかかり感情的にイライラしたりということが多いかと思います。それでも、『意義・目的意識』の要素が安定してれば、少々肉体的にきつかろうが、感情的なブレがあろうが、全体として活力はポジティブサイドに保てます。
かつては、会社は成長するのが当たり前で、仕事を頑張りさえすればポジション・給与は上がることが期待でき、精神的よりどころとなるこの『意義・目的意識』の部分が安定していました。ところが、今はこの部分が揺らいでいます。既存事業や中核事業の低迷、合理化や業界再編といった事業環境の変化に、早期/希望退職対象者の拡大、成果主義の弊害といった要素も加わり、先行きの不透明感が、個々人の働く姿勢、ひいては会社全体の士気にまで影響を及ぼしているのです。

パフォーマンス向上の新アプローチ

平井 公守氏 photo このような状況で、精神的よりどころが揺らいでいると、感情的なブレは一時ではおさまらず、組織にまん延していきます。肉体的なハードさにも耐えられません。それでは、企業としてどうするべきなのでしょうか?
「意義・目的意識」といった精神的な部分への直接的な働きかけとして、ビジョン浸透のための全社的な取組みも有効でしょう。しかし、時間がかかりますし、先が見えにくい今の時代、非常に難しいです。もう一方で、パフォーマンスにダイレクトに直結するものとして、色々なスキル研修も行っているかと思います。しかし、スキルや能力発揮の源となる個々の社員の「活力」はあって当然というのが暗黙の前提で、ここに注力している企業は少ないのではないでしょうか。
パフォーマンス発揮の土台となる「感情」「知性」「肉体」といった部分がしっかりしていないので、せっかくコーチングを学んでも、気持ちの余裕がなくては、現場に戻るとそれどころではない、といった話になってしまいます。パフォーマンス向上に、活力マネジメントはなぜ意味があるのか、お話ししたいと思います。

全ての要素となる『肉体』。これは、俗に言う“健康セミナー”のようなことを言っているのではありません。例えば、睡眠時間。1日の睡眠時間が4~5時間という日が1週間続くと、記憶力や判断力、思考スピードは、飲酒運転で捕まる基準の3倍の量のお酒を飲んだのと同じ状態になると言われています。パフォーマンス向上のため、睡眠のとりかたや、食事の取り方といった、最低限の知識をもっておく必要があります。

次に『感情』の部分について。イライラしていると冷静に考えられませんし、重たい仕事が重なっていて気分が乗らない状態だと、仕事のペースも落ちてしまいます。そんな経験は皆さんありますよね。実は、これは人の脳の構造上、自然なことなのです。 人の脳には、感情をつかさどる「辺縁系」と、思考をつかさどる「新皮質」の部分がありますが、脳の基本メカニズムとして、感情がポジティブかつ安定していてこそ、はじめて思考の部分が働くようになっています。やっかいなことにこの「感情」の部分は、意図せずとも自動的に周囲に伝染するという特徴があります。 例えば、上司がイライラしていると、職場全体がピリピリした雰囲気になり、部下も今日は近づかない方がよさそうだ、と寄ってこなくなってしまいます。リーダーの方達の感情がどういう状態にあるのか、ということは非常に重要です。 しかし、本人はことの重大さに気付いていない。皆さんの会社の上司にも、自らの感情の状態が、どれだけ周囲に影響を及ぼしているのかを、自覚されていない方がいらっしゃるのではないでしょうか。

色々な事を申し上げましたが、活力マネジメントは、個人任せにしていていい問題ではありません。特に管理職の方達の活力状態は、会社全体に影響を及ぼしているので、これは企業として取り組むべき問題です。それによって、戦略や事業環境やビジョンのぶれにかかわらず、パフォーマンスを底上げできますし、職場環境は改善、従業員の幸せ度も高まります。一つでも多くの会社で、こういった取り組みが広がっていくことを願っています。

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