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特別講演[B]

『不況に克つ、組織活性化のためのモチベーション戦略3つのカギ』
最新データ:「日本のミドルマネージャーのモチベーション」を交えて

大塚 雅樹氏
株式会社JTBモチベーションズ 代表取締役社長
大塚 雅樹氏(おおつか まさき)
プロフィール:株式会社JTBの社内ベンチャーとして、1993年に日本で初めてモチベーション・ビジネスをドメインとした会社を設立。『「やる気」分析システム MSQ』をはじめ、これまで数々のモチベーションを高めるソリューションを開発。培われたノウハウを元に、様々な企業をモチベーションの向上を通じ業績向上に導いている。

ミドルマネージャーのモチベーションが重要

大塚 雅樹氏 photoまず、前提条件として、「人材育成とはコストではなく投資である」ということを共有しておきたいと思います。なぜこのような話をするのかというと、活性化された組織は、極めてマクロに捉えられがちですが、実は「個」のモチベーションが非常に重要だからです。個が生き生きと働いている組織こそ、「活性化された組織」なのです。

しかし、日本人の仕事に対する意欲やモチベーションは、低迷しているのが現状です。特に30代後半のミドルマネージャークラスの多くは、モチベーションが低い状況にあります。すると部下にも伝染し、組織的にモチベーションが下がってしまう。一方、モチベーションが高い企業は、確実にミドルマネージャーが元気で、若手を活かしていく環境ができています。組織を活性化していくには、まず、ミドルマネージャーたちのモチベーションを解析してみる必要があります。

大塚 雅樹氏/講演 photo今年の8~9月に、昨年来の金融危機の影響をふまえ、金融、IT、製薬業界の課長のモチベーションについて調査しました。「昨年よりモチベーションが下がった」という回答は全体の37.5%で、「組織の業績不振」「給料のダウン」などが理由でした。一方、モチベーションが上がっている課長は、部下とのコミュニケーションを重視していて、意識的にモチベーションを保つように管理していることもわかりました。以上のことから、ミドルマネージャーを活性化させるには、「自身のモチベーションをコントロールできているか」「部下のモチベーションに関して、どのくらいマネジメントスキルがあるのか」「モチベーションの源泉はどういうことで、どんな時に上がるのか」がポイントになります。

組織活性化のための「3つのカギ」とは何か

現在はファイナンシャルキャピタル(金融資本)から、ヒューマンキャピタル(人的資本=知的資本)経営の時代に変わってきています。組織が成長していくには、社員が自律的に知恵を出すような組織を作っていかなければなりません。社員が知恵を育み、創出する仕組みをどう作るのか、また、それらを成長させていくために組織としてどうサポートしていくのか。この考えが個人、組織両方の成長を促すのです。

組織活性化に必要な“代表的”要素

組織活性化に必要な代表的要素は、「組織インフラ」「ワークスタイル」「社外志向性」の3つです。(図表:組織活性化に必要な“代表的”要素 参照)。これらの要素から、組織活性化のためには、しっかりと組織の理念について伝えていく「ミドルマネージャーのマネジメント力」、あの先輩になりたいと思えるような「メンターの育成力」、数年後にはこんな風になっていたいという「キャリアイメージの明確化」の3つが、大きなカギであることがわかります。

ミドルマネージャーがマネジメントを行う際には、コミュニケーションが重要です。それができなくなっているのは、ミドルマネージャーがプレイヤーとして業績責任を持ちながら、部下の育成も任されているからです。しかし、優秀なマネージャーは、部下との対話の時間を設定するなど、コミュニケーションの取り方を工夫しています。目標とその結果について、上司と部下が共有することで、深いコミュニケーションや気付きが生まれます。

私はこれまで、多くの優秀な方にインタビューしてきましたが、「あなたにメンターはいますか」と聞くと、かならず「いる」と答えます。「こんなところを真似したい、ああいう人になりたい」。そう考えることで、キャリア意識が醸成されます。そのためには、今自分は何をやるべきなのかを考える。これがモチベーション向上に繋がります。また、自分がマネージャーになった時に、メンティーを育成していく意識が高まります。

大塚 雅樹氏 photoメンターもメンティーも、異業種交流会や社外勉強会などで、外に出て行くことが必要です。対外試合は、自分自身を成長させることができるからです。同様に、社内でも勉強会を行うなど、フィールドを広げるための「場」の醸成は必要です。キャリアイメージを明確化するための、ロールモデルを持つことが必要です。尚、その際には、知識をインプットするだけではなく、「どう思ったか」「何を得られたか」をアウトプットする機会が必要です。

最後に、「組織が今やるべきこと」についてお話します。まずは、「自己表現」「業務遂行」「職務管理」といったことについて、社員のやる気の源泉を刺激するような組織風土を作ることです。

また、「どのくらい成長できたのか」を可視化すること。後輩が先輩に、あるいは部下が上司に、言いたいことが言えるフィードバック文化が構築されていること。これらがない会社は、決して生き生きとはしていません。

個人の成長欲求が高いことは重要です。会社は社員の挑戦を受け入れ、失敗を許容してください。社員の知恵を、人事部(企業)がどこまで引き出しているのか。また、そうなるようにマネージャーがきちんと仕向けているのか。そのことが、とても重要だと思います。

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